![1999年のデビューしたS2000のスタイリング](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/570/img_77eee51ab1b8688028386ef243a3c867171796.jpg)
そんな1990年代の終わりに登場したのがS2000だ。ホンダ創立50周年モデルとして企画され、「S360」「S500」「S600」「S800」からつながる、ホンダ伝統の“S+排気量”の車名を冠して1999年に発売。FF(前輪駆動)の印象が強いホンダだが、S800生産終了からじつに29年ぶりとなるFR(フロントエンジン・リア駆動)のスポーツモデルを復活させたのだ。
ちなみにホンダスピリットを象徴する“S”の系譜は、2009年のS2000終売で一度途切れたが、2015年に「S660」の登場で復活し、2022年3月に生産終了ともに現在では姿を消している。
F1テクノロジーを詰め込んだオープンFRスポーツ
![S2000のエンジンルーム。キャビン側にめり込むように、フロンドミッドシップに搭載されていることがわかる](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/570/img_774201dd75cfd1ab8c0784f71085f64e366986.jpg)
S2000は、高性能と快適性を高次元で両立する新時代のスポーツカーとして、当時快進撃を続けていたF1テクノロジーを詰め込んだ「快適F1」をコンセプトに、手の届く価格を目指して開発。1999年4月15日に339万円で発売された。
型式 LA-AP1
トランシスミッション 6速マニュアル
ボディサイズ 全長4135mm×全幅1750mm×全高1285mm
ホイールベース 2400mm
トレッド フロント1470mm/リア1510mm
最低地上高 130mm
車両重量 1240kg(ナビゲーション装着車:1250kg)
乗車定員 2名
車内サイズ 長さ800mm×幅1325mm×高さ1055mm
エンジン型式 F20C(水冷直列4気筒縦置)
総排気量 1997cc
ボア×ストローク 87.0mm×84.0mm
圧縮比 11.7
最高出力 184kW[250ps]/8300rpm
最大トルク 218N・m[22.2kg・m]/7500rpm
プラットフォームには、オープンカーながらクローズドボディ以上の剛性を実現した「ハイX(エックス)ボーンフレーム」を採用し、そこにハンドリング&レスポンスを追求したインホイール型ダブルウィッシュボーンサスペンションをセット。
パワートレーンには250ps/8300rpmを発揮する2.0L直列4気筒自然吸気VTECユニット「F20Cエンジン」を採用し、それをフロントミッドシップに搭載することで、前後50:50という理想的な車体前後重量配分を実現。最高回転数9000rpmで、排気量1Lあたり125psを絞り出す超高回転型ユニットは、F1マシンをも凌ぐピストンスピードと言われ話題になった。
![今回、試乗したホンダアクセス所有のS2000。リップスポイラーなどのエアロパーツは、当時モデューロから販売されていたものが装着されている](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/570/img_f68cf5b373901b1cbc90a4e9d0b93589595062.jpg)
それでいて平成12年排出ガス規制にも適合。この時代は、排出ガス規制によって姿を消したスポーツカーも多い。例えば日産の第2世代GT-Rの最終型となるBNR34型「スカイラインGT-R」やS15型「シルビア」、トヨタのJZA80型「スープラ」、マツダのFD3S型「RX-7」などが時代の波に飲まれ、惜しまれつつ販売を終了している。
そんな中でS2000は、排出ガス規制に適合し、次の時代にスポーツカーを残したことも大きな功績であり、今も古く感じない理由なのかもしれない。ちなみにホンダは、NSXも平成12年排出ガス規制に適合している。
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