平清盛の名前に「の」が入る"意外と深い"理由 意外と知られてない「氏」と「姓」の違いとは

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「氏」は、血縁や一族を表すものです。例えば「藤原氏」は、中臣鎌足が天智天皇から与えられた氏です。源氏や平氏も同様で、天皇から賜ったものになります。これは通常の「姓」とは分けて考えられていたのです。だから「氏」の場合には「の」が入っているわけです。

それに対して「姓」は、職業や職能・朝廷内での立場を表すものでした。例えば源頼朝も、本来は「源 朝臣 頼朝」となります。「朝廷の臣下」という意味で「朝臣」が姓ですね。とはいえ、奈良時代以降にはほとんどの人が朝臣となってしまったため、意味がなくなったと言われています。

現在まで続く「苗字」は、もともとはこれらとは別のもので、同じ「氏」の人が多くなってきてしまったためにそれと区別するために領地の地名を取るなどして名乗るようになったものだと言われています。例えば源頼朝の従兄弟にあたる有名な武士である木曾義仲は、名前の前に「木曾」と付いていますが、本来は彼も「源義仲(みなもと「の」よしなか)」でした。

ですが、木曾で育ったため、木曾義仲(きそよしなか)と呼ばれています。ここからも、「氏」と「姓・苗字」が異なるものだとわかるでしょう。名前にもかなりいろんな歴史があるんですね。

肉に花の名前がついている理由を考えたことがあるか

肉には、花の名前がついている場合があります。例えば、馬の肉は「さくら」、猪の肉は「ぼたん」と、それぞれ花の名前がついています。これってなぜなんでしょうか?

実は江戸時代より以前の時代は、肉を食べるのが忌避されていたのです。動物の死んだ後の肉とか動物の血というのは汚れたもので、肉を食べたらダメ、という価値観があり、食事に大きな制限がかかっていたと言われています。

なぜこのような価値観があったのかには諸説ありますが、仏教における「不殺生」の考え方が根本にありつつ、病気の元になったりすることがあったからだと考えることができます。

とはいえ、完全に肉を食べないでいることは難しかったので、ひっそりと食べながら、「肉を食べていることがバレないようにするための隠語」を作ったのではないかと言われています。それが、花の名前だったわけです。

馬の肉を食べつつ、「これは、さくらの花を食べているだけだ」という詭弁を使っていたわけですね。確かに色合いとしては似ている感じがしますね。それが今まで残っているというわけなんですね。

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