宮崎県延岡市にミャンマー人が押し寄せる理由 「民」から始まった地方都市とミャンマーの交流

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「なぜここまで延岡を目指してミャンマーの要人が来日するのかと、誰もが不思議がっていました」と富山さんは振り返ります。

一方で、延岡の企業もミャンマーを訪問する機会が増え、マンダレーに開設された「NobeoCafe」を拠点に、2018年から3回にわたり「NobeoCafeセミナー」をマンダレーの新しい開発地区ミンガラマンダレーで実施しました。

このセミナーでは、延岡の企業が自社の技術や製品をPRし、ミャンマー企業との取引につながることを目指して、ネットワーキングや個別商談が行われました。こうして、お互いに日本とミャンマーを訪問し合う交流が広がりを見せていました。

コロナ、クーデターでも関係強化

ところが、2020年3月に新型コロナウイルス感染症が流行し、ミャンマーではロックダウンなど厳しい感染対策が実施されました。さらに、2021年2月1日にはクーデターが発生し、それまで続いていた交流は途絶えてしまいました。

とはいえ、交流を重ねる中、日本人と気質が合うと感じた延岡の経営者たちは、日本国内で日本人の採用が難しくなりつつある中、ミャンマー人材を技能実習生やエンジニアとして採用、将来的にはミャンマーでの活躍を視野に入れるという動きが出始めました。

クーデターの影響でミャンマー国内経済が低迷する中、海外での就労を目指すミャンマー人が増加、日本を訪れるミャンマー人も急増しています。日本の出入国在留管理庁によれば、2024年6月末時点での在留ミャンマー人は約11万人で、前年比27.5%増と、国籍別では最も高い増加率を記録しています。

「日本で働く」といえば、ミャンマー人の間でも東京や大阪などの都市部が一番人気です。しかし、延岡を指定してくるミャンマー人が出てきています。もちろん延岡を知らないミャンマー人も多いため、延岡の実情を丁寧に伝え、トラブルや失踪防止対策も行っています。

同時に、研修に参加したミャンマー人経営者や先に延岡で働いたミャンマー人から直接伝えられる情報は、説得力と安心感を与えているようです。

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