宮崎県延岡市にミャンマー人が押し寄せる理由 「民」から始まった地方都市とミャンマーの交流
冒頭の延岡市内の若手企業経営者は2014年1月にミャンマーに初めて足を踏み入れました。そして富山さんがアドバイザーとして所属する「ミャンマー日本人材開発センター」(MJC)を訪れました。
MJCはミャンマー商工会議所と協力して設立された人材・企業家育成機関で、日本式経営を学んでミャンマーの経済発展に貢献することを目的として設立されました。
MJCは設立間もない時期であったこともあり、日本での研修先を探していると知った延岡の経営者たちは、ミャンマー企業の研修受け入れ先として名乗りを上げました。
帰国後、ミャンマー人研修生を延岡市として受け入れ、さらに交流を今後も続けるために延岡商工会議所や宮崎県工業会県北地区部会、延岡鉄工団地協同組合、延岡市が中心となって2014年10月に「延岡・ミャンマー友好会」が設立されます。そして同年11月、初めてミャンマーの企業経営者ら15人が延岡市を訪問しました。
企業経営+日本文化のベストミックス
ミャンマーの経営者らは、延岡が発祥の地である旭化成をはじめJAや酒造メーカー、焼酎製造場、大学、工業団地など、幅広い施設や企業を視察し、インターンシップやビジネスマッチングを行いました。
一方で、富山さんが校長を務めていた高校を訪問し、高校生たちと給食の配膳や料理作り、歌や書道体験などの日本文化を体験しながら交流も深めました。
高校では、特別授業としてミャンマーについて継続的に学びました。研修生は延岡の一般家庭に1週間のホームステイを経験するなど、単なる企業視察を超え、一般市民ともに交流ができるという、地方都市の強みを生かした研修を実現させました。
翌2015年8月には、宮崎大学が主催しミャンマーで開催した国際会議に、延岡市長や延岡市議会議長、延岡商工会議所会頭など延岡市内の18社が参加しました。これは宮崎大学のJICA専門家と富山さんの協力で実現できました。
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