共通テスト「ニュースがわかれば一発」の中身 冤罪事件や、インバウンドなど…様々な話題
また、「国語」の第1問では、「観光」に関する評論文が題材として取り上げられました。
「見る」主体である観光客と「見られる」客体である現地の人々、あるいはよそ者として現地を「見る」観光と共に生活を「する」観光、といった「観光」という行為の2つの側面が示されたうえで、これらは単なる二項対立ではなく、複合的で反転しうるものである、というやや難しめの内容です。
文章全体を通じて、「観光」という行為について深く考え直すことが求められる内容となっていました。
オーバーツーリズムが深刻化
今、日本では「オーバーツーリズム」の問題が深刻化しています。「オーバーツーリズム」とは、多くの観光客が観光地に集まることで、ゴミや騒音などが生じたり、交通の便が不足することで、地元住民の生活環境が悪化してしまうという問題です。
日本で「オーバーツーリズム」の問題が深刻化している背景には、コロナ禍が明けて以降の急速な円安があります。外国人の観光客にとって比較的安価に旅行することができるため、日本を訪れる外国人観光客が急増しているのです。
2000年代以降、日本政府はインバウンド政策を推進し、外国人観光客が国内で消費活動を行うことで経済活性化を図ってきました。しかし、近年はその数が急速に増加し、観光地がインフラ面で対応しきれていないという状況が発生しています。受験生に対しては、近年の日本が抱える観光の課題を考えさせたいという出題者の意図が見受けられます。
この「観光」、今回の共通テストではほかの教科でも題材として登場しました。
「地理総合 地理探究」第4問の問4では、「世界の多くの国・地域では、産業における観光業の重要性が高まっている」と示したうえで、4カ国の国際観光収支のグラフから日本、スペイン、タイ、ドイツを判別するという問題が出題されました。
日本ではインバウンド(日本への観光客)が急速に増加している一方で、アウトバウンド(日本から海外に行く観光客)は長年の不況により減少傾向にある、ということを知っていると答えが出る問題でした。
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