「日銀利上げ後」の日本株をどうみればいいのか 2025年の日経平均高値と安値ゾーンを予想する
干支の話と合致するように、これまで変わらなかった日本企業も、黒船(トランプ氏やアクティビストなど)の到来で、変わらざるをえなくなってきた。多くの企業が一段の変革をして、蛇のように脱皮していくかが問われる1年となりそうだ。
日本の優良企業の「稼ぐ力改善」に期待
さらなる企業の一段の変革が強まるかが注目されるなか、自動車業界では、ホンダと日産自動車の経営統合方針に続き、トヨタ自動車のROE10%から20%への目標引き上げも報道されるなど、目に見える大きな変化が起き始めている。日本株の持続的上昇のために、企業による本気のROE改善策が必要が必要だ。
では、本気のROE改善策とは何か? もう少しわかりやすく説明したい。
改めてROEを式にすると、「ROE=当期純利益÷自己資本」である。ROEを高くするには、分子の当期純利益を大きくするか、分母の自己資本を小さくするか、のどちらかだ。
残念ながら、今のところ、日本企業の多くは、分母の自己資本を小さくしてROEを上げようとしている。具体的には自己(自社)株買いや増配だ。これが、あまり稼ぐ力のない企業(利益率が低いモノやサービスしかない残念な企業や、PBRが大きく1倍を割れている企業)であれば、仕方ない。
だが、PBR1倍割れ企業だけが悪のように指摘されているが、私は本当の問題は、いわゆる日本の大型優良企業(PBR2倍以上で、時価総額が大きい170~200社)に問題があると考える。これらの企業はせっかく高い競争力があり、もっと稼ぐ力があるにもかかわらず、人件費や研究開発&設備投資を削減して、利益率を上げることしか、してこなかったのだ。こうした企業が欧米と比較して多すぎるのだ。
これでは、割安な年収で甘んじている優秀な社員や、将来のビジョンのある若手社員は、やる気が出ないだろう。実際、そうした優秀な社員は今後、流出するはずだ。経営陣は、積極投資をするなど、財務レバレッジを改善させることが必要なのだ。
これこそが、欧米の主要株価指数と比較して、日本の代表的な株価指数である日経平均やTOPIXが相対的に割安に放置されている理由だ。逆に言えば、今後の企業の対応次第では、日本株はまだまだ上昇の余地があるということだ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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