「日銀利上げ後」の日本株をどうみればいいのか 2025年の日経平均高値と安値ゾーンを予想する

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今回の金融経済懇談会は、追加利上げに向けた市場への地ならしと位置付けられている。日銀としては、金融正常化のため、早期の利上げを模索している。氷見野副総裁に続いて1月15日、植田和男総裁も「(1月23・24日に開く金融政策決定会合で)利上げを行うかどうか議論して判断する」と述べている。

あくまで私の勝手な臆測だが、与党の自民党は昨年12月時点では今年4月の衆議院選挙を画策していたが、年明け1月中旬までに、「7月参議院選挙のみ」で落ち着いたのかもしれない。だから、12月は利上げを見送ったにもかかわらず、1月に利上げの可能性が急浮上してきたとも解釈できる。あるいは、1月20日のアメリカのドナルド・トランプ大統領の就任式前に、日銀が行きすぎた円安を止めたかった、としか考えられない。

したがって「週末の24日にかけて株価が大幅下落しない限り、1月利上げの可能性は高い」に見方を変更する。

一方、アメリカでは3月のFOMCで予想どおり利下げの可能性が高そうだ。ただし、今のアメリカ株はバリュエーション(投資尺度)からみて割高だ。利下げという支援材料があっても、市場の予想を上回る企業業績の実績と良好な業績予想を出し続けないと本格的に下落に転じるだろう。今後の決算発表を注視したい。

これらも勘案すると、日米金利差からみたドル円相場は7月の参院選までは、最大1ドル=161円までのドル高円安、その後は140円台までのドル安円高とみている。

干支でみても、改革の端緒になりやすい2025年

では、2025年に日本株上昇のカギを握るのは何か。1月6日、東京証券取引所の大発会で、日本取引所グループ(JPX)の山道裕己最高経営責任者(CEO)は改めて「資本コストや株価を意識した経営」の要請に言及し、「改革は始まったばかりだ」と発言した。上場企業が中長期的な企業価値向上に取り組むことが「当たり前となるマーケットを目指す」と再強調したのだ。

山道CEOは2025年の干支にちなんで、「蛇は脱皮を繰り返しながら変化・成長を遂げる。今年は去年からまた一皮むけて成長したマーケットとなることを期待したい」とも語った。

さらに今年は十干十二支でみると「乙巳(きのとみ)」だ。山道氏の発言どおり、巳年は再生や変化を繰り返し発展していくという意味があり、「始まりの年」「破壊と再生の年」になりそうだ。

実際、過去の巳年や乙(きのと)での出来事を振り返ると、改革の端緒になる事件が起きていることが多い。歴史は韻を踏むのだ。世界では2度目のアメリカ大統領となったドナルド・トランプ政権の規制改革などの新政策、日本でも「103万円の壁」をめぐっての、参議院選挙(7月20日が濃厚)などの行方に注目したい。

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