日本株、大型連休後はどうなるのか 市場はなお「波乱含み」の展開が続きそう

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1)「鶏と卵」だが、突然市場の振れが拡大したため、投資家が、先行きの株価の方向感を失った。したがって、株価が上振れすればあわてて買いに飛びつき、逆に下振れすればろうばい売りすることとなり、それで市況が大いにぶれて、一段と投資家の方向感が失われた。

2)無機質なシステム売買(コンピュータプログラムによる売買)が、以前より膨らんでいると推察されている。

こうしたプログラムには、ある程度の水準を株価が上か下に超えると、売買が発動するものが多いと言われ、市況の変動を増幅させた可能性がある。ただし、全く逆に、株価が上がれば売り、下がれば買いを出すプログラムもあると考えられ、システム売買に足元のボラ上昇の責を全て押し付けるのは、妥当ではないだろう。

「自分の判断」に自信がもてない投資家が多い日本

3)特に国内株式市場について言えることだが、自分の判断に確固として立つ国内投資家の層が薄いため、海外投資家の売買によって株価が左右されている。これに対し米国では、自らの銘柄分析に揺るがぬ自信を有し、株価が急落する局面で果敢に買いに出る機関投資家が相対的に多く、株価の振れが日本市場よりは抑制されていると考えられる。 

ただ、3)については、必ずしも「国内勢対海外勢」という図式ではない。たとえば海外投資家でも、短期筋は、このところ世界的な市況変動に右往左往しており、能動的にいわゆる「売り仕掛け」を行ない儲けているという感触が薄い。

一方、海外勢のうち長期筋は、全体市況の振れに惑わされず、割安と判断する銘柄をじっくり買い溜めているようだ。

以上の「ボラ3点セット」は、しばらく残りそうだ。

9月16日(水)~17(木)のFOMC(連邦公開市場委員会)については、事前には「利上げすれば世界的に株価は暴落」、「利上げを見送れば株価上昇」といった、浅薄な見通しを披露していた専門家を多く見かけた。

筆者は、9月は連銀が小幅利上げを行ない、その代わりに「2回目以降の利上げは相当先になる」とのメッセージを強く打ち出して、政策金利の先行きを市場から見えやすくすることで、株価が中長期的には落ち着くと予想していた。

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