日本株は、今本当に買ってもいいのか 歴史的反騰後、10日の日経平均は再び乱高下へ
「歴史的な大反発」。9日の日本株の動きはまさにこうした表現がぴったりの値動きとなった。寄り付き後から大きく上昇し、日経平均株価は1万8770円で取引を終えた。1343円の上げ幅は、1994年1月31日の1471円以来21年7カ月ぶりの大きさで、過去でも6番目に相当する値幅となった。
急騰の背景は買い戻し、テクニカル主導の反発には限界
今の市場は、一つの材料をきっかけに価格が動き出すと、それを増幅させるような取引が先物市場で活発に行われ、それを受けて現物株も変動する。こうした背景に加え、ほとんどのテクニカル指標が売られすぎを示していたことも、買い戻しを誘った可能性がある。空売り比率は過去最高水準に達し、騰落レシオも急低下していた。また25日移動平均線からの下方かい離率も10%を超え、買い戻すには絶好のタイミングだった。
9日の急騰は、最近の下落局面で売りポジションを構築した空売り筋の利益確定のための買い戻しや、一部の損失覚悟の買い戻しが短時間で入ったことなどが背景にある。
また株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)を算出する「メジャーSQ」を11日に控えており、これに合わせてポジション調整を余儀なくされた市場参加者のヘッジなども相場の押し上げに寄与した可能性が高い。つまり、上昇の背景には、中国の財政出動期待などがあったにせよ、かなりテクニカルな要素があったということになる。
しかし、今後も順調に株価が上昇するかは不透明である。実際、9日のNYダウは前日比で239ドルもの急反落となった。午前の雇用関係の指標(求人・労働異動調査)が改善を示し、FRB(連邦準備制度理事会)の9月利上げ懸念が台頭。またアップルの新製品発表会が事前予想の範囲内で収まったことが同社株の売りを誘った。
残念ながら10日の日本株は、この流れを受けて再び大幅反落から始まりそうだ。こうした、毎日のように値幅が500円を超えるような事態は常時ではない。急騰・急落を繰り返す現在の株式市場には、さまざまなリスクが潜んでいることを理解しておくべきだ。
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