台湾で広がる与党「民進党」への厳しい視線と怒り 新興政党が怒りを代弁する受け皿として存在感

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「台湾は民進党のものではなく、台湾は台湾の2300万人のものだ」と叫んだ場面は民衆党の公式ショート動画にも切り抜かれて拡散された。この主張は中国大陸と台湾との統一を強く望む中国共産党とも、統一を建前上は否定しない国民党とも相容れないものである。

一方、この集会には国民党からの応援演説者も登壇している。その様子も民衆党の宣伝ショート動画に採録されており、民衆党は国民党とのつながりを支持者にアピールしたことがわかる。

また、集会では林正杰氏が演説を行ったのも話題となった。林氏は国民党の一党支配時代に反体制運動に身を投じ、民進党結党初期の党員となったものの、台湾独立の理念に反対する立場から離党し、中国大陸との統一運動に転じた人物である。

では民衆党は統一派と結託しているのかと言うと、そうでもない。強い統一思想で知られる評論家の黄智賢氏は、今回のデモを黄国昌氏の利己的なパフォーマンスに過ぎないと位置づけた上で、黄国昌氏は台湾独立、反共思想の持ち主であると非難した。

反民進党だけでつながる支持者たち

結局のところ、現在の民衆党の支持者は民進党に反対するという一点のみでつながっているということになろう。ただ、そのこと自体は台湾の政治史上非常に興味深いことでもある。

今回のデモに関して、民進党内からも司法に問題があるとの指摘は出ている。元副総統の呂秀蓮氏は、政論番組のインタビューに対し、民衆が司法に対して容疑者の釈放を求めた今回のデモを決して支持するわけではないとしつつも、柯氏の汚職事件に関して台北地検が特定のメディアに情報をリークしたことなどにより、市民の司法への信頼が損なわれていることへの懸念を表明した。

呂氏は同じインタビューのなかで、政治にとって政権交代が起こることの重要性も指摘している。ただし、柯氏や民衆党を評価するのではなく、民進党の劣化に対し反省を促すという文脈においてである。

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