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コインチェック社長「国内市場で圧倒的規模狙う」 ナスダック上場を機に「アジアのコインベース」へ

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2024年12月11日に親会社が株式上場したコインチェック。国内最大手の一角を占める同社の現在地とは。

井坂友之氏はコインチェックがマネックスグループ子会社となって初となる、マネックスグループ出身者以外の社長。前社長の蓮尾聡氏は会長として渉外や株主対応をメインで担う(撮影:今井康一)

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マネックスグループ傘下の暗号資産(仮想通貨)交換所のコインチェック。預かり資産1.1兆円、会員数219万人の国内最大手級として、ビットフライヤーと双璧をなす。
昨年12月には持ち株会社の親会社が、特別買収目的会社(SPAC)との合併を経てアメリカ・ナスダック市場に上場した。上場を経て同社の事業戦略はどう変わるのか。2024年6月に社長に就いた井坂友之氏に聞いた。
【インタビューでの主な質問】
Q 「国内交換所は2社でいい」発言をどう受け止めた?
Q 暗号資産に関わることになった経緯は?
Q 再認識した「コインチェック」の強みとは?
Q コインベースはやっぱり意識する?

自力成長とM&Aの両輪を速く回す

――親会社のコインチェックグループ(CCG)がナスダック市場に上場しました。日本のコインチェックにはどのような影響をもたらしてくれそうですか。

全般的にすごくプラスになる。厳しい審査基準や監査基準をクリアして、暗号資産交換所でコインベース・グローバル(アメリカ)に次ぐ上場企業になった。日本のコインチェックを含めて開示や経営の透明性が高まり、ガバナンス強化がより進む。人材採用などでよい影響が出てくるだろう。

事業方針がクリプト(暗号資産)を主語にしたシンプルなものになることも、当社にとってポジティブ。CCGとは、「グローバルのクリプトマーケットの中で日本をどうするのか、コインチェックをどう伸ばしていくのか」を議論していく。

アメリカ市場とつながったことも大きい。株式交換による買収を含め、いろんな投資手段や成長戦略を取れる。当然、プレッシャーは大きくかかる。だが、緊張感を持って健全に事業を推進する力になると思っている。

――CCGの代表であるエグゼクティブチェアマンに就いた松本大・マネックスグループ会長は、「国内でドミナント作戦を目指したい」と話していました。

オーガニックグロース(自力での成長)とM&A(合併・買収)グロースの両輪を速く回して、圧倒的規模を確保したい。当社の国内シェアは預かり資産で約25%、口座数だと約20%。それを大きくしていく。

オーガニックグロースには近道がない。愚直にプロダクトを作り、しっかりプロモーションすることをいかに速くやりきるかが大事。今のサービスラインナップでユーザーニーズを十分に満たしているとはいえない。優秀なエンジニアとデザイナーを入れて、積極的に開発投資していく。

M&Aについては上場した今、国内も含め各社との対話を積極的に行っていきたい。暗号資産市場を広げていくという方向性を持ち、当社にはないノウハウや顧客基盤を有する企業とは一緒に成長できる余地があると考えている。

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