西野七瀬が念願の「ショートカット」と"新境地" 「大切な人を失った恋人の幻影」という難役

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観察眼は映画だけでなく、彼女の日常生活にも広がっている。「こういう場面で自分はこんな風に感じるんだな」と気づきを大切にする柔軟な姿勢が表現力の土台になっているようだ。

「まだ気づいていない自分を見つけたい」

一方で、理想の自分像について尋ねると、彼女らしい控えめな答えが返ってきた。

カメラに真っ直ぐ視線を向ける西野七瀬さん
(撮影:長田慶)

「特に『こうなりたい』という強い望みはないんです。満足しているわけではないんですけど、そこまで貪欲でもなくて。今あるものを大切にする感覚のほうが強いですね。求められることを自分なりに積み上げていくほうが、私には合っている気がします。目標を持つことも素敵ですが、今はその都度を大事にするほうが自然なんです」

欲を出しすぎることなく、与えられた瞬間を丁寧に紡ぐ。そんな控えめな姿勢の中にも、芯の強さが垣間見える。

「これからも楽しんでいただける作品や役柄に挑戦していきたいです。まだ自分でも気づいていない一面があるかもしれない。それを作品を通じて発見できたらいいなと思います」

柔らかさと強さの間で揺れ動きながらも、自分らしい一歩を踏み出していく――。

今の西野七瀬が見つけた、等身大の自分がそこにあった。

ヘアメイク:徳永舞 スタイリスト:鬼束香奈子

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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