西野七瀬が念願の「ショートカット」と"新境地" 「大切な人を失った恋人の幻影」という難役

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こうした徹底したアプローチが、亡くなった恋人の“幻影”としての存在感を見事に作り上げていった。

映画では、大切な人を失った人々が、それぞれの形で悲しみと向き合う姿が丁寧に描かれている。そのテーマに触れた西野もまた、自分自身に重ねるように思いを巡らせていた。

俯いた西野七瀬さん
(撮影:長田慶)

「観ながら自然に『自分だったらどうするだろう?』と考えました。あくまで想像の範囲ですが、できるだけ明るくいられたらいいなって思います。『ここにいるよね』と感じられるくらい、理想的にはそんな風に前を向けたら素敵だな」と、彼女は穏やかな表情で語った。

映画のテーマと同様、西野もまた、過去の痛みや感情に向き合うことの大切さを語った。

「つらかった過去って、忘れたつもりでもふと思い出すことがありますよね。でも、心の傷は結果的に時間が解決してくれるイメージがあります。私はあまり引きずらないタイプで、寝てしまえば大丈夫なことが多いんです」と笑顔を交えながら語る。急に蘇る記憶にも、「無理に追い払おうとはしないですね。忘れようとしなくてもいい。思い出したいときに思い出せばいいし、誰にも迷惑をかけないなら、自分の中で向き合い続けるのも悪くないと思います」。

過去を振り返ることで見えるものについても彼女はこう話す。「昔の自分が物事に振り回されていたり、感情が揺れていた経験も、今になれば『もう大丈夫なんだ』と気づくきっかけになることがあります。でも、克服したと思っていても、またダメージを受けることもありますけどね(笑)」。

「悲しみの先にある温もり」感情との向き合い方とは

西野にとって、ポジティブとネガティブの感情は、どちらも欠かせないものだ。「なぜか、ネガティブな記憶のほうが心に深く刻まれやすい気がします。でも、それを他の人に伝染させないように意識しています」と語る一方で、「良い感情も悪い感情も、両方を知ることで人としての豊かさが増すんじゃないかな」と柔らかく微笑む。

微笑んでカメラに視線を向ける西野七瀬さん
(撮影:長田慶)
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