クマ怖くて「コンビニ行けない」秋田民の緊迫日常 秋田知事「クマ送る発言」にも納得してしまう…

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こうした状況にあって、特に県外から駆除の中止をうったえられても、「何を言っているんだ」と思う県民は少なくない。実際にクマに襲われた人もいる。

2023年度の全国のクマによる人身被害件数は198件で、そのうち秋田県が最多の62件だった。

ある県職員は、知事の「クマ送る発言」に、「いいぞ」と感じたと話す。「ドローンで爆弾入りの餌を食べさせて、リモコンで爆発させる」という提案も、実現性はともかくとして、少し乱暴でも、血肉の通った言葉だと受け止められているようだ。

およそ2年前、近くのコンビニに歩いて向かおうと思った記者は、親から「行くな」と止められた。

元々、用事の多くを車で済ませがちな車社会なところもあるが、クマが出るようになってからその傾向は強くなっているようだ。運動不足につながらないか心配にもなる。

クマの出没は、人間の生活、経済、健康にまで影響があると言えば言い過ぎだろうか。

1人きりの露天風呂で大声を出す

影響といえば、これだけ秋田県の「クマ」情報が全国的にセンセーショナルに報じられることで、観光産業に悪影響はみられないのか。

県外出身の妻は、特にクマを怖がっている。秋田市内の温泉施設で、露天風呂に誰もいなかったことから、クマが寄って来るのを恐れて「いい湯だな」と大声を出して、湯に浸かるのもそこそこにすぐに内湯に戻ったと話す。せっかくの雪見風呂がもったいない。子どもが外で雪遊びするのも心配そうだ。

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(写真:弁護士ドットコムニュース)

県観光文化スポーツ部の誘客推進課に、クマの情報が県の観光に影響したか尋ねたところ、そのような声は届いていないという。ただ、そのような調査を特段実施していないという。

秋田県では、コロナ前の2019年1〜4月と比較して、2024年同時期のインバウンド(訪日客の宿泊者数)が東北6県で唯一落ち込んだ。

「クマの出没情報があってもキャンセルなどはない。団体客を受け入れられる宿泊施設が少なく、さらに人手不足のため、ニーズがあっても受け止めきれていない」(担当者)ことが背景にあり、クマの影響ではないという。

県では、「クマの生態や対策方法を正しく知ることが、クマの事故や出没を防ぐ第一歩」だとして、クマに関する情報を公式サイトなどで用意している。 

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