大戸屋が挑戦「1980円・高級すき焼き」の"実力" ペッパーフードも同種の業態出すも狙いは異なる

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貧乏性の筆者は値段が頭によぎり大切に4口で食べ終えたが、人によっては2口かもしれない。この量がネット上で物議を醸したゆえんだ。

なお、ごはんと味噌汁は1回ずつおかわりが可能で、お新香や生卵、あおさが付く。食後にはミニソフトクリームもあるのでそれなりにお腹は満たされることを付け足しておく。

量が少ないことはさておき、「すきはな」では肉質への並々ならぬこだわりを感じた。口の中でとろける感覚、脂の甘みや香りなど、ワンランク上の味わい。一番安い「国産牛」でもしっかりと肉の美味しさを感じられた。

「肉の味に集中してほしい」の思いは、確かに伝わってきた。肉だけなら高級店に匹敵するクオリティで、それが1980円で味わえると思えば安いのかもしれない。

スタッフが目の前で肉を焼く
スタッフが目の前で肉を焼く(筆者撮影)
焼き上がった肉
焼き上がった肉(筆者撮影)

肉は目の前に備え付けてある鍋でスタッフが焼く。牛脂を敷き、ザラメを振って、肉を投入し割り下を注ぐ。ほどよい火入れで肉を皿に盛り付けてくれる。ライブ感とともに、きわめてシンプルな調理法であることがわかり、それだけに素材の質にはごまかしがきかないことが実感できる。

値段は同じでも、ターゲットがまったく異なる

「すきはな」のターゲットにはインバウンドも見込んでいる。海外からの旅行客はお金や時間をかけて遠路はるばる日本に来ているのだから、食事に求めるのは「日本ならではの食体験」であり「満腹になること」が第一ではないはずだ。そういう意味では「すきはな」はニーズにマッチする。

海外の人からしたら、日本のすき焼きや和牛はぜひ味わってみたいもの。しかし多くのすき焼き店では肉以外にもいろいろな具材が入っており、それだけでお腹がいっぱいになってしまう。鍋なので食事の時間もかかり、サクッと食べて退店とはいかない。

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