中央銀行栄え、国滅ぶ台湾、代償大きい最大の公営事業

台湾政府にとって中央銀行(以下、台湾中銀)は、なくてはならない「資金源」といえる。台湾中銀は4年連続で国庫に1800億台湾ドル(1台湾ドル=約2・5円)強を納付。ここ10年で累計2兆1000億台湾ドルに達する。莫大な収益の要因は、低金利と台湾ドル安にあるが、その裏で国民資産や内需産業の発展が損なわれている。

台湾中銀の彭淮南(ポンホワイナン)総裁によると、2010年に台湾中銀が国庫に納付した金額は政府歳入の12%に当たる。この数値は米国では2%、日本0・14%、韓国0・15%で、極めて高水準だ。景気が変動した、ここ9年間においても平均7%を超えている。

06~10年、台湾中銀の年間利益は2200億台湾ドル以上に上り、5年間の合計額は1兆2200億台湾ドル。「台湾で最も稼ぐ公営企業」といえる。全公営事業の国庫納付額2246億台湾ドル(10年)のうち、8割は台湾中銀が賄っている。

この収益規模は民間企業と比べてもすごい。10年に台湾企業最大の利益を上げた半導体ウエハ・ファウンドリーの台湾積体電路でも1616億台湾ドル。台湾中銀は同年、2251億台湾ドルの利益を上げている。

しかし、忘れてはならないのは、台湾中銀はそもそも営利企業ではないということ。独占権を持つ公営事業であり、政策執行機関なのだ。

収入は海外資産の利息 支出は譲渡性預金金利

台湾中銀の最大の収入源は利息収入。主に外貨準備による海外資産に対する投資収益だ。同行の10年間の利息収入は約4286億台湾ドルで、総収入4657億台湾ドルの約92%を占める。このため、外貨準備の総量および金利環境が同行の収益を左右することになる。

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