さらに真上から見た写真では、前後のフェンダーが豊かに張り出し、リアは絞り込まれるなど、有機的な造形も盛り込まれていることがわかる。
ジャガーは、長いボンネット、流れるようなルーフライン、23インチのアロイホイール、ファストバックのプロファイル、ボートテールなどが、「EVの常識を覆す先見性のあるデザインである」という。
トラディショナルなプロポーションとシームレスな表面処理の融合が、新しいということなのかもしれない。
現行の市販車でも、これに近いスタイリングの車種はある。ロールス・ロイス「レイス」、ベントレー「コンチネンタルGT」などだ。さらに言えば、ジャガーのルーツにも、近いフォルムの車種はある。
1930年代「SS1/SS2」のプロポーション
ウィリアム・ライオンズ卿は、「スワロー」というモーターサイクルのサイドカーを製作するブランドでキャリアをスタートさせ、まもなくクルマのボディ架装(コーチビルダー)も行うようになると、1930年代にスタンダードというメーカーと提携し、「SS1/SS2」という車種を送り出した。
ベースのスタンダードと比べると、ノーズは長く、キャビンは低くなっているうえに、エアラインクーペというボディでは、ファストバックに近いスタイリングとなっている。
ウィリアム・ライオンズ卿の信念「Copy Nothing」まで引用するタイプ00は、このモデルを示唆しているのではないだろうか。
マイアミでは、インテリアも公開された。バタフライドアからアクセスするそこは、エクステリア以上にモダンだ。
キャビン中央と、左右を前後に貫くのは手仕上げの真鍮で、自然保護の観点からウッドパネルの使用が控えられる中、代替素材として起用したものだと想像している。
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