ジャガーの新世代「タイプ00」はむしろ伝統的だ 超絶モダンな中に見えるブリティッシュネス

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「タイプ00」のドアは上方に開くバタフライ式(写真:Jaguar Cars)
「タイプ00」のドアは上方に開くバタフライ式(写真:Jaguar Cars)

左右2枚のデジタルディスプレイは、スタートボタンを押すと立ち上がる仕組み。この種のデバイスは中国などでも提案があるので、特に驚きはない。

それよりも、シートを含めてモダンな造形ではあるが、水平基調でこれ見よがしなディテールはなく、落ち着きがあり上質感も伝わってくる。この仕立てには、さすが英国のブランドだという印象を抱いた。

幾多の挑戦をしてきたジャガーの一手に

今回のタイプ00は、そのまま市販に移されるわけではなく、最初のプロダクションモデルは4ドアGTで、2025年後半に発表する予定だと公表している。満充電で770km(WLTPモード)という最大航続距離と、15分で最大321km分の急速充電の実現をターゲットにしているという。

市販に当たってはノーズが少し短くなり、キャビンが長くなることが予想されるが、それ以外のデザインテーマは引き継がれるはずだ。

「タイプ00」のモチーフがどこまで市販モデルに反映されるかは楽しみである(写真:Jaguar Cars)
「タイプ00」のモチーフがどこまで市販モデルに反映されるかは楽しみである(写真:Jaguar Cars)

全長が5mを超えていることを考えれば、ロールス・ロイスやベントレーがライバルになりそうだが、それらに比べれば圧倒的にモダンである。一方、ドイツやアメリカ、中国のプレミアムEVに対しては、英国車らしいオーセンティックな雰囲気が個性になる。

ジャガーの2023年度の販売台数はグローバルで約6万台と、メルセデス・ベンツ(約204万台)やBMW(約255万台)とは比べるまでもないレベルにある。このままでは、再浮上の可能性は厳しいと見るのが自然だろう。

しかし、歴史を振り返れば、このブランドは新たな挑戦をいくつもしてきた。タイプ00を2025年における革新と捉えれば納得できるし、プロポーションにもインテリアにもブリティッシュネスを絶妙に織り込んでいることに感心している。

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個人的にはテスラ・サイバートラックとの2台並びは、かなりクールだと思う。サイバートラックを買うような所得と感性の持ち主であれば、新生ジャガーも響くのではないだろうか。

【写真】これはモダンか?トラディショナルか?ジャガー「タイプ00」のデザインをもう一度チェック!(70枚以上)
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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