ジャガーの新世代「タイプ00」はむしろ伝統的だ 超絶モダンな中に見えるブリティッシュネス

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サーキットを駆け抜ける1954年の「Dタイプ」(写真:Jaguar Cars)
サーキットを駆け抜ける1954年の「Dタイプ」(写真:Jaguar Cars)

続く「Dタイプ」では、当時としては珍しいモノコックボディを採用することで、1955年からル・マン3連覇を達成。車名で想像できると思うが、この2台の経験を投入したのが1961年発表のEタイプだ。

さらに後継車として1975年に登場した「XJ-S」も、リアウインドー左右のフィンが象徴しているように、彼の空力の経験が織り込まれていた。

日本でもバブル期によく販売された「XJ-S クーペ」(写真:Jaguar Cars)
日本でもバブル期によく販売された「XJ-S クーペ」(写真:Jaguar Cars)

もちろん、今回のタイプ00は、セイヤーが描いたフォルムとは異なり、空力に配慮しているようには見えない。それは時代背景が関係しているだろう。

闇雲にスピードを求めるようなクルマづくりは、カーボンニュートラルが叫ばれる現代社会にはそぐわないからだ。しかも、ジャガーはEV専業になることを宣言しており、車名の「00」はゼロエミッションと新生ジャガーのゼロ号車であることを表している。

ニュースリリースには、ジャガーの新たなクリエイティブな哲学として、「Exuberant Modernism(活気あふれるモダニズム)」という言葉も掲げられている。今の基準でのモダニズムを形にした、ということなのだと思う。

マイアミでのイベントで公開された2台の「タイプ00」(写真:Jaguar Cars)
マイアミでのイベントで公開された2台の「タイプ00」(写真:Jaguar Cars)

サイバートラックと同類なのか?

タイプ00を見て、テスラの「サイバートラック」を思い出した人もいるかもしれない。

筆者も実車を見たことがあるが、シンプルな線と面で大胆に描いていることは似ている。個人的にはモダンだと思っているし、あちこちで話題になっていることを考えれば、「活気あふれる」にも当てはまりそうだ。

ただし、タイプ00とサイバートラックで大きく違う点がある。サイドから見たときのプロポーションだ。

真横から見たサイバートラックは、既存のピックアップの3ボックススタイルとはまるで違うトライアングルシルエットなのに対し、タイプ00のロングノーズ・ファストバックというフォルムは、むしろトラディショナルだ。

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