田原総一朗氏が語る不安な時代--暴排条例はテレビも全面賛成、NOと言うのがマスコミだ

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企業が暴排条例違反を避けるには、運用や解釈の仕方など、警察の動向を知るのが一番手っ取り早い。現実にパチンコチェーンや警備会社、芸能事務所など、警察からの天下りを受け入れる会社は少なくない。

 会場では、実際にある労働組合から、1部上場のセメントメーカーで、「団体交渉の場にまで警察出身の役員が座り、『その言葉遣いはおかしい』などと威圧するケースもあった」との発言もあった。警察を背景とした権力の矛先が労組だけでなく、場合によっては、今回の条例で企業や一般市民にも向きかねない、というわけだ。

圧巻だったのは田原氏だ。「民放連(日本民間放送連盟)でさえ、暴排条例に全面賛成している。これは間違った正義感だ。警察や検察に全面的に味方しているが、NOと言うべきなのがマスコミだ。マスコミはもっと強くなれ、私は言いたい」。自らが寄って立つメディアへの警鐘を鳴らした。

最後には西部氏がこう締めくくりの言葉を述べ、場内からは、笑いともため息ともつかぬ声が漏れた。「水清ければ魚住まず。イタリアはマフィアがいたから面白かった。(反社など異質な勢力は)ほどよい割合でいてくれるのが成熟社会」--。

暴排条例自体は成立してしまった中、こうした異論・反論をどう世の中に訴え、企業や一般市民から支持を得るか。暴力団の取り締まりは当然のこととしても、警察による暴力団対策の裏側にある危険性について、一石を投じた共同声明と言えようか。

(撮影:梅谷 秀司 =東洋経済オンライン)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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