初詣の前に詳しくなる「教養としての日本の神様」 ビジネスに関わりのある神様を一気に紹介
ちなみに、大黒天は、インド・ヒンドゥー教のシヴァ神の別名マハー(大)カーラ(黒)が仏教と習合し、日本へ伝わった当初は憤怒の顔をした破壊と豊穣の神として信仰されましたが、やがて豊穣だけが残ってほほえみの表情となり、食べ物と財福を司る神となりました。
酒造の神様=大物主神(おおものぬしのかみ)、大山咋神(おおやまくいのかみ)、久斯神(くすのかみ)
第10代崇神(すじん)天皇が、大神(おおみわ)神社(奈良県桜井市)の主祭神の大物主神(おおものぬしのかみ)を大変敬い、神に捧げる酒を醸造する役に高橋活日(たかはしのいくひ)を任じたところ、一夜で美酒ができあがったことから、大物主神は酒造りの神として敬われるようになりました。高橋活日は杜氏の祖とされています。
大神神社の御神体は杉の木で、大物主神の霊威が宿るとして酒屋の軒先に酒林(杉玉)を吊す風習が広がりました。
また、お酒と神様の関係は古から深く、他にもいらっしゃいます。松尾大社(京都市)は、渡来系氏族で醸造技術を持っていた秦(はた)氏が氏神としたことから酒造の守護神とされ、室町時代には「酒造第一祖神」として崇められました。多くの酒造業者が、祭神の大山咋神(おおやまくいのかみ)を「松尾様」として敬っています。
梅宮大社(京都市)の酒解神(さかとけのかみ)と酒解子神(さかとけこのかみ)は初めて酒を造って天神地祇(てんじんちぎ)に献じた酒造の祖神で、全国の酒造業者から崇敬されています。また『出雲国風土記』に佐香郷(さかごう)に「多くの神々が集まって酒を醸造させ、180日にわたって酒盛りをした」とあり、佐香(さか)神社(島根県出雲市)には酒の神として久斯神(くすのかみ)が祀られています。
運送業の神様=猿田毘古神(さるたびこのかみ)
天孫(てんそん)である邇邇芸命(ににぎのみこと)が地上へ降ろうとしたときに、高天原(たかまのはら)と葦原中国(あしはらのなかつくに)との堺のいくつもの道にわかれている場所「天之八衢(あめのやちまた)」で天孫の一行を出迎え、無事に高千穂峰へと案内したことから、道ひらきの神、導きの神として崇められ、道案内、交通安全の神として運送業の関係者から信仰されています。
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