コロナで販売急減「誕生100年の銘菓」が復活の背景 SNSで大量に販売できた経緯とは?
こうして会社員時代にマーケティングを学んだ僕と、企業のサポート経験が豊富なしなのさん、デザイン面の知識と経験がある妻の3人体制で、バズ(SNSなどを介して、消費者のクチコミによって話題となり注目が集まること)がいつ起こってもいいように、販売プロセスについて綿密に設計していきました。
ただ商品が売れるようにするだけではなく、バズという消費者の拡散力をもって「鯱もなか」の名を一気に広めていくことを目標に掲げたのです。
事前準備① 売上の礎となるECサイト構築
はじめにテコ入れしたのが、オンライン販売の強化です。
先代の頃から公式サイトは存在しており、申し訳程度に通販で商品を購入できるようにはなっていました。しかし、古びたデザインや、購入ページまでなかなかたどり着けない導線のわかりにくさなどが目立ち、お世辞にも購買意欲が掻き立てられるようなつくりとは言えませんでした。
そもそも元祖鯱もなか本店の売上の7割は駅や空港などの「お土産需要」であり、残りの3割はほぼ大須にある本店での販売分。ネット通販の売上はほとんどありませんでした。裏を返せば、一番の伸びしろはオンライン販売だということです。
じつは、老舗企業や店舗の多くは、まだまだECサイトが整っていないのが現状です。そこで、知人に紹介してもらった専門会社に依頼して公式サイトのリニューアルを行い、インターネット上で簡単に購入できるシステムを整えました。
まずはサイトの訪問者に、「感じのいいページだな」と思ってもらい、長い時間滞在してもらえるようにしなければなりません。
老舗らしい格調を保ちつつも、現代に通じるような普遍的なイメージ、そして親しみやすい雰囲気をリクエスト。お客様視点で見て、文字や画像に違和感がないことも重要なポイントです。せっかくサイトを訪れてくれても、ほんの少しの違和感やモヤモヤが離脱に繋がります。スマホで見られることが多いため、スマホ画面での表示も念入りにチェックしました。
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