半世紀も着工せず「東九州新幹線」独自ルートの夢 建設の機運を高めるべく大分と宮城が動き出す

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうした久大本線ルートの提案に対し、沿線の日田市では歓迎の意を示すのに対し、日豊本線ルート上の中津市は不快感を示しており、議論が2分されている。

しかし、活発な議論が東九州新幹線建設促進運動の機運上昇にもつながるため、この状況は大分県にとっては好ましいものなのかもしれない。

宮崎県にとってあまりに高額な日豊本線ルート

東九州新幹線について、宮崎県では深い議論が行われることがなかったが、2023年11月、宮崎県知事が新八代ルートを有力な選択肢として示したことで、大きく状況が変わった。

宮崎県が新幹線に対する考えを変えたのは、2023年6月、政府が公表した「骨太の方針」にて、新幹線基本計画路線の今後の方向性について、調査検討を行うと記載されたことによるもので、四国を始め、各地で次の新幹線誘致活動が活発なものとなっており、宮崎県においてもその検討を本格化させる時期がきたと判断されたと考えられる。

また、大分県が久大本線ルートの提案で議論を活発化させたことにより、宮崎県でもまったく別のルート構想を提示することで、同様の効果を狙ったこともあるだろう。

このような県知事の意向を受け、宮崎県は2024年度予算に、東九州新幹線調査費用を計上し、元々の日豊本線ルートに加え、日豊本線ルートの部分開業といえる鹿児島中央先行ルート、そして知事が選択肢として示した新八代ルートの3つを調査する方針が決定された。

鉄道路線に翻弄される地域社会 - 「あの計画」はどうなったのか?
(図:『鉄道路線に翻弄される地域社会 - 「あの計画」はどうなったのか?』より)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事