カフェ、ラーメンチェーン「人気福袋」開発の裏側 専用商品やお得感の打ち出しで訴求力を高める

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丸源の冷凍餃子はビールとの相性がいいと話す人もいる。とはいえ必要以上に尖らせない。ファミリー客も多い店のラーメンに超激辛がないように万人受けする味なのだ。

今回から「アプリ会員限定」にした理由

福袋の予約方法は変わった。今回からアプリ会員限定となり、配布されるクーポン(500円×2枚)も紙ではなく、基本はアプリクーポンとなった。なぜ変更したのか。

「利便性とクーポン利用の実態を把握したいのが大きく、アプリなら読み取りも認証もしやすいのです。また、丸源の店舗では混雑解消の一環でセルフレジ導入も進めており、DX(デジタルトランスフォーメーション)化との親和性もあります」(上田氏)

近年はアプリ会員獲得にも積極的な丸源ラーメン。登録会員数は300万人を超えたが、マクドナルドやスターバックスの会員数とは大差がある。店舗数もこの両ブランドとは1ケタ違うが、オンライン⇔実店舗の連携として会員数増加は注力したいだろう。

かつては人気アパレルブランドの福袋を求める人が行列をつくった時代もあり、百貨店のこだわり福袋も大きな話題を呼んだ。当時は総じて価格も高かった。

近年は手頃な価格が一般的で、実店舗への来店を促すような中身も多い。今回紹介した3社にチケットやクーポンが入るのもそれを象徴する。

発売時期に12月が多いのは、年末年始のイベントが続く特別感に加えて、消費者には1年間頑張った自分へのごほうび、そして運だめし気分もあるだろう。

年末年始の風習では、価値観が変わり需要が減った年賀状の例もある。それに比べると、福袋は販売方法や中身を変えながら人気が続くのではないだろうか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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