世界を読み解くカギは「西洋哲学」の中にある 「江戸時代の日本思想」をいま再評価すべきだ
「我々西洋人は理性により進歩し、熾烈な競争に勝ち抜いてきた。植民地にされた人間たちは自分たちで文明化できなかったから、我々白人が教えなければならない。世界の文明化は白人の義務である」
こうした観念は「白人の責務」と言い、イギリスの作家ラドヤード・キプリングの詩のタイトルがもとになっています。
理性至上の西洋的価値観は限界に
ところが20世紀以降、世界には「白人の責務」に当てはまらない現実が次々と生まれてきます。日露戦争では、非西洋文明の日本に反撃を食らい、欧米にとてつもない衝撃を与えました。
ロシア革命でロシアが共産主義化し、ドイツ、イタリアではファシズムの運動が勃興し、西洋的な価値観から飛び出します。共産主義やファシズム――全体主義は、人権や個人の自由という西洋的価値観とは真逆の体制です。理性を中心に発展してきた西洋には非常に大きな不安材料だったのです。
20世紀には世界中で西洋的価値観への反逆が起こった結果、第2次世界大戦につながっていったのです。
そのため西側諸国から見れば、今でも非西洋的な日本、ロシア、ドイツが大きな脅威で、過去へのトラウマから、徹底的に抑え込んで管理したいとの思惑が透けて見えます。
現在、プーチンという指導者がロシア人に強く支持されているのは、西洋的価値観を超克し、ロシアが我が道を行くことを明確にしたからです。
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