下痢をむやみに薬で止めようとする人の盲点 下痢の原因は何なのかを考えて対策をする
電車で下痢になる人のほとんどは、過敏性腸症候群(IBS)の疑いがあります。最近、腸脳相関といって、腸と脳が密接につながっているということが、さまざまな研究によって明らかにされています。腸からの指令で、脳が変調をきたすこともありますが、脳からの指令で腸が変調をきたすこともあります。
過敏性腸症候群というのは、脳からの指令で腸が変調をきたす症状のことを指しています。この症状の特徴は、内視鏡や血液検査でがんや炎症などの異常がないのにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛などの消化管機能の異常が起こる、という病気です。日本人の1割ぐらいが、過敏性腸症候群だと言われています。
小腸や大腸などの消化管の動きは自律神経が司っていますが、ストレスによって自律神経が乱れ、腸管の蠕動運動が活発になり、便の通過速度が速くなり、水分を腸で吸収できずに、下痢として出てしまうということになります。お腹を冷やしてしまうと下痢を起こしてしまう場合があります。
ウイルスや細菌が原因の下痢には使わない
この場合は、自律神経のバランスが崩れたり、腸管の筋肉が緊張したりしているパターンになりますので、症状が辛いときは、下痢止め薬を使っても問題はありません。ただし、下痢止め薬を使っても48時間以内に症状が改善しない場合は、原因を特定し、最適な医療を受けるために病院へ受診してください。
下痢止め薬は、ウイルスや細菌が原因の下痢には使わないほうがよいです。ストレスや冷えが原因の下痢には使えますが、2日程度で落ち着かないならば、使用を中止して病院に通うことがお勧めです。なお、下痢のときは、便中にたくさん水分が出てしまうので、脱水症状にはご注意ください。
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