下痢をむやみに薬で止めようとする人の盲点 下痢の原因は何なのかを考えて対策をする

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食物繊維や水分が足りているかどうかは、便の状態を見れば一目瞭然です。食べているものが穀物や豆類、野菜類が多ければ、多いほど便の色が黄色くなります。逆に食べているものが肉食で動物性タンパク質が多ければ多いほど、便の色が茶色から濃い茶色になります。

ベタっと全体が黒くなった便が出た場合は、胃や十二指腸などの消化管での出血や潰瘍が疑われますので、医療機関で診察してください。同じ黒い便でも、サプリメントで鉄剤を取り過ぎていると黒いブツブツが混ざった便が出たりします。この便はコーヒーを飲み終えた時にコップに黒いブツブツが残ったような感じに似ています。

白い便やレモン色の便が出ることもあります。この場合は肝臓や胆管の機能異常が疑われます。便が茶色い褐色の色になるのは、胆管から出る胆汁が混じるからです。肝炎や肝不全を起こすと、肝臓で胆汁が作られなくなり、白い便やレモン色の便になってしまうのです。

硬さは、便は水分量が多いものなのですが、腸管内に長いこと便が留まると、水分が腸管から吸収されて便が硬くなってしまいます。そのため、硬い便や水分を失って細い便の時も食物繊維摂取量が不足して、高カロリーや高脂肪を多く摂取している可能性があります。

理想の便は3条件で「黄色から茶褐色」「太さはバナナぐらいの太さ」「程よい硬さ」であると良いです。自分の排便を継続的にみることで、自分の食べたものを理解しやすくなり、身体の健康度合バロメーターにもなりますのでぜひやってみましょう。

前述したような理想の3条件から外れているときは、食物繊維を増やしてみたり、水分摂取を増やしたりしてみましょう。なお、サプリメントの食物繊維では、良いという研究結果は今のところありませんので、食品由来の食物繊維摂取で試してみてください。

食生活の改善で効果がないときに、下剤を検討する

下剤の使い方は、便秘になったから、いきなり使うのではありません。まずは食生活で対応をすることがベースです。その上で、効果がない時に下剤を上乗せで、使います。これが標準的な便秘の治療です。

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