「気分を重視する人」ほど"決断力"がある意外な理由 決断力不足2大原因、「基準に悩む」「失敗を恐れる」
定量分析による意思決定には、5つのステップがあります。
意思決定に必要な「5つのステップ」
ステップ② 意思決定の基準とする数値を明確にする
ステップ③ その数値が「どういう状態」なら「どう」意思決定するか、を明文化する
ステップ④ 実際の数値の状態を確かめる(定量分析)
ステップ⑤ ステップ③で明文化した手続きに従って意思決定する
簡単な事例で確認しましょう。たとえば、重要なマーケティング案件の数値予測を部下のA氏とB氏のどちらに任せるかを意思決定する場合です。
まず、決めたいことは「A氏とB氏のどちらに任せるか」です(ステップ①)。そのために使う数値は「過去1年間の数値予測の精度」とし(ステップ②)、過去1年間の予測値と実績値との誤差が小さいほうに任せることにします(ステップ③)。実際に集計してみると、A氏のほうがB氏より誤差が小さいことが判明しました(ステップ④)。そのため、A氏に任せると決めました(ステップ⑤)。
こうして確認してみると、この5ステップは極めて当然のことが表現されていることが伝わるはずです。しかし現実では、このような机上の理論のままスムーズに意思決定できるとは限りません。なぜなら、この5つのステップの中には、その意思決定者が越えなければならない壁が2つ存在するからです。
基準となる「数値」を何にすればよいかがわからない
つまり第1の壁とは、「なにをもって決めるのか」が決められないということです。一般論として、ビジネスには正解がありません。ある基準で選ぶならAだが、別の基準で選ぶとBという結論になってしまう、といったことが当たり前のように起こります。ここで悩んでしまい、ステップ③以降の仕事に進めないケースが散見されます。
そんな人にとって重要なことは、「正解はない」ということを強く認識することです。何が正解か、など誰もわかりませんから、何を基準にするかという問いにも正解はありません。
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