ロールス・ロイス「ゴースト」セダン継続の真意 EV全盛の今、12気筒エンジンも継続する心意気

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ゴースト・シリーズⅡのインテリア
ゴースト・シリーズⅡのインテリア(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

アクセルペダルに乗せた右足は、ほとんど力をこめなくても、まさに滑るように車体が前へと進んでいく。カーブを曲がるときは、細めの径を持つステアリングホイールを動かすと、ほとんど抵抗感なく車体がすいっと向きを変える。車体のロールも抑えられている。

電子制御サスペンションシステムのなせる技で、どんな状況でも、すいっと滑るように進んでいく。操作にあたって力をこめなくてはいけない場面もなく、こちらはロールス・ロイス用語で「エフォートレス・ドライビング」という。

ゴーストで変わったロールス・ロイスの走り

ゴースト・シリーズⅡの後席
ゴースト・シリーズⅡの後席(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

かつてのモデルは、たしかにエフォートレスではあったものの、ステアリングホイールの操作に対して車体が動くときの反応が、ドライバーに直接伝わってこなかった。そのためカーブなどでは“だいたいこのへんかな”と思いながら操舵する。いわゆる“当て勘”で操縦するのだ。

とうぜんながら、私はその感覚がどうも苦手で、自分で操縦していると、すぐに飽きてしまっていた。今のゴーストにはじめて乗ったときは、ダイレクトな感覚で、これはいい、とすぐに思ったのを、よく覚えている。

南仏の一般道は、細くて屈曲していて、とくに村落に入ると、対向車とのすれ違いに神経を使う。ゴースト・シリーズⅡは全幅が2m近くあるのでスリルもひとしおだ。

ステアリングホイールを動かしたときの車体の反応が素直なので、道を端ぎりぎりまでさっと避けられる。カーブを高速で曲がるときから、ワイン畑のあいだのくねくね道でのすれ違いまで、不安の念に駆られることなく、さっと走り抜けられるのだ。

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