あなたの街のイトーヨーカドーが閉店した必然 総合スーパーの非食品売り場にダイソーなど進出
ヨーカ堂の業績の推移は、売上高、営業利益率ともに全盛期の1990年代から右肩下がりで落ち込んできた。
2024年2月の決算データでは、営業収益8149億円、経常損失2.7億円、事業再構築に係る費用(閉店、改装、事業転換など)を含めた最終損益は379億円の赤字であるが、財務安定性を示す純資産は5051億円あって、純資産比率は72.4%というのが現状だ。
注目はこの純資産比率が、スーパー業界ではいまだにトップクラスにあるということ。右肩下がりが続いたとはいえ、大きな赤字が続いたわけでもないので、自己資本はほとんど毀損していない。過去の蓄積があって、時間的余裕はまだ十分にある、という状況だ(大量閉店を経ても耐える体力があるということ)。
スーパー業界でトップクラスなのにダメ出しされるワケ
では、なぜこんなにダメ出しをされるか、といえば、セブン&アイがグローバルコンビニ大手であり、世界基準で比較されると、セブン-イレブンのお荷物的な存在になるからである。
ヨーカ堂はグループのスーパーストア事業を統合して、再構築される計画だが、スーパーストア事業全体での今期の業績予想は、営業収益1兆4390億円、営業利益135億円。営業利益率は0.9%と低いが売り上げとして国内トップクラスのスーパーであることは間違いない。
今後の改善の進捗次第ではあるものの、イトーヨーカ堂を軸としたスーパー事業体は、十分に生き残れる経営資源を持っているということは確かなのである。とはいえ、なぜ今、大量閉店せねばならない状態になってるのだろうか。それを知るためには、今回一気に閉店となった店舗群をみるとその背景がわかってくる。
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