バイデン「日鉄のUSスチール買収阻止」その後は? 最終的に判断を下すのはどこになるのか

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ペンシルベニア州西部にあるUSスチールの有名なモンバレー製鉄所で実際に働いている労働組合員らは、これが彼らの雇用を守る最善のチャンスだと考え、日鉄のUSスチール買収を支持している。

民主党のジョシュ・シャピロ・ペンシルベニア州知事も同様だ。USスチールは、買収に失敗すれば規模縮小を余儀なくされるとしている。対照的に、日鉄はモンバレー製鉄所を含むいくつかの製鉄所の改良に13億ドル以上の追加投資を行うと約束している。

バイデン氏が日鉄買収阻止に動く背景

自動車生産には高炉は欠かせないものであり、高炉の維持とアップグレードは、日鉄の買収を阻止することよりも、アメリカの安全保障にとって重要である。それにもかかわらず、バイデンはUSW(全米鉄鋼労組)のデビッド・マッコール会長の味方をしている。

マッコール会長は最近、日鉄の森高弘副会長と会談した後も、合併に断固反対している。現在も働いているUSW組合員と退職者を合わせた120万人のうち、USスチールで働いているのはわずか1万1000人にすぎない。

報道によると、バイデン大統領がここへきて買収阻止に動く背景には、トランプ氏が2016年に大統領選に勝ったののに続き、2024年に再び大勝したのにはアメリカのブルーカラー労働者が保護主義に転じたからであり、民主党も同じように保護主義に転じなければ選挙で勝つことは難しいと考えていることがあるようだ。

報道によれば、日鉄とUSスチールは裁判所にバイデン大統領の決定を覆すよう求める予定だという。しかし、裁判所にその権利があるかどうかは不明であり、仮に権利があったとしても大統領の決定を覆す気があるかどうかも不明である。

理由はいくつかある。1つには、バイデン政権はこれが国家安全保障の問題だと主張しているが、このような問題では裁判所はほぼ大統領に従う傾向がある。

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