なぜホンダは原付バイクを日本製に戻すのか 国内の生産比率は8割まで上昇へ
正式な価格は10月に発表されるが、新型ジョルノの価格はスタンダード車種で20万円を切るという(旧型は17万7120円~)。新型には空冷式に代わって燃費性能に優れた水冷式のエンジンが搭載されるため、旧型との単純比較はできないものの、実質的な値上げ幅は抑えた格好だ。
ジョルノに続いて、昨年、12年ぶりに新型車として投入した「ダンク」や今年1月、16年ぶりにネーミングを復活させて売り出した「タクト」といったほかの原付バイクも、2016年度末までに現在のベトナムから日本に生産を戻す。これにより国内生産台数は約7万台分増え、年間約10.6万台の出荷台数のうち、国産比率は8割まで高まる。ダンクとタクトを引き上げることで、ベトナムで原付の生産はなくなるが、年間250万台の生産能力の中での5万台程度であり、大きな影響はないという。
熊本製作所の生産能力は50万台だったが・・・
原付バイク生産の国内回帰は”地産地消”ともいえるわけだが、熊本製作所の稼働率を引き上げたいというホンダの思惑も見え隠れする。同拠点では現在、利幅が大きい中・大型のバイクを中心に、生産の8割を海外向け、2割を国内向けに生産している。だが、2008年に約31万台だった生産台数は、国内市場の縮小で2014年に約15万台と半減。2015年上半期(1~6月)も前期比約2割減の約6万3000台と、減少傾向に歯止めがかかっていない。
2008年に新工場として完成した当時、熊本製作所の生産能力は50万台あった。その後の需要減少を受けて、2013年度に能力を16万台まで引き下げている。今後、50ccの原付バイクの生産を行うため、生産能力は25.5万台まで増やす。ジョルノに続いて、タクトやダンクの生産が国内に移管されれば、期間雇用の従業員も100人以上増える見通しだ。
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