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2025年に日経平均株価は最高値を突破しそうだ トランプ次期政権は日本株にマイナスではない

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  • 藤代 宏一 第一生命経済研究所 主席エコノミスト
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日本のインフレ以外の要素としては、もちろんアメリカ経済の動向が重要だ。その点、一般的にトランプ次期政権の政策を先読みしたトランプトレードとは「株高・金利上昇・ドル高」とされており、その通りになれば話は簡単なのだが、これには「裏」もあり、実際はもっと複雑な経路で日本の金融市場に伝播してこよう。

トランプトレードの本質とは何なのか

ここで改めてトランプトレードの概要を整理すると、株高は大型減税による景気浮揚、金利上昇とドル高は関税引き上げによる財物価の上昇、安価な労働力としての移民抑制に伴う賃金インフレの再来に備えた動きである。端的に言えば「インフレ加速を伴った景気拡大」が前提になっている。

他方、「裏」すなわち株安・金利低下・ドル安の要素として、代表的なのはエネルギー価格下落に伴うインフレ圧力の低下がある。トランプ氏は、エネルギー(≒シェールオイル・ガス)採掘に積極的で、環境よりも経済を優先する構えを明確にしている。

エネルギー価格低下を起点にインフレ率低下を狙う算段であり、これは前回の大統領任期中も同様であった。実際、2017~2021年はアメリカの原油生産量が飛躍的に増加するなかで、原油価格は任期前半に上昇した後、任期後半にかけて下落している(コロナ初期の原油価格の急落は例外として取り扱う)。この点は、あまり意識されていないように筆者は感じるが、日本株(日本経済)にとって重要な視点であろう。

またトランプ氏は低金利を好むドル安論者であり、この点はトランプトレードの逆を行く。大統領選を通過した現在、今後予想される変化として筆者が特に注目しているのはトランプ氏がFED(アメリカ連邦準備制度)の金融政策とどこまで距離を詰めるかである。今回の選挙期間中においてトランプ氏がFEDに利下げを迫る場面はさほど多くなかった。

それは、利下げが(民主党の弱点であった)インフレの沈静化を助長してしまうほか、株高となり民主党の追い風になってしまうからであろう。トランプ氏がFEDへの要求を戦略的に自重していた面が大きいと筆者は考える。この見方が正しければ、大統領就任後はFEDに利下げを迫る可能性が高い。

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