「釣人の駅」は漁師さんがスタートしただけあり、引き受けた魚の卸先もありますし、そのために業務用の急速冷凍庫や真空パック用の機械など充実した設備が整えられています。しかし、単に「魚の下処理サービス」を提供するだけならば、水道設備と包丁とまな板があれば明日からでも開業可能です。
それこそ、釣り船が集まる港の近くにキッチンカーを横付けして、「魚のさばき屋さん」を開業することも可能でしょう(フグのように毒のある魚の下処理を断るなど、安全上注意すべきことはいくつかあると思いますが)。
釣り客にとって魚を持ち帰って奥様にお小言をいただくこともなくなる夢のサービスであり、釣りを始める際のハードルが下がるので釣り船ともにwin-winの関係を作ることができるでしょう。
「釣り人相手の魚のさばき屋さん」は、釣り場に確実なニーズがあり、低投資で明日からでも始められるビジネスでありつつ、食品を提供するわけではないので面倒な法律上の手続きがおそらく存在しない、非常に魅力的な商売ではないでしょうか。
「価格」をつけることから始めよう
これこそ私が明日からでも始めるべき「そこそこ起業」だと興奮しました。「魚のさばき屋」さんをキッチンカーで始めるとして、最低限の初期投資と一日の売上がどれくらいになるかしらと、よく遊びに行く漁港の釣り船の数と一日あたりの釣果を確かめ始めました。
ですが同時に、「みんながほしいサービスが、未だにほとんど提供されていないのはなぜなんだ?」という疑問が湧き、考え込んでしまいました。
ニーズのあるところにサービスが生まれる。これは経営学以前の常識だと思います。ところが、「世界中の釣り人の共通のニーズ」である「釣った魚をさばいてくれるサービス」そのものが、「釣人の駅」を含めて日本には数えるほどしかありません。
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