北海道にホテルを作りまくる「通販会社」の"狙い" カタログ通販ベルーナが今やホテルで260億
M&Aで取得した旅館や、年数を経たホテルは、必要に応じてロビー、サウナ、カラオケルーム、客室、売店などを「気持ちのいい場所」として生まれ変わらせることを意識している。加えて、他チェーン同様、専用サイトや会員制度も取り入れている。
ベルーナの従業員満足度とは、「社員やアルバイトスタッフが、いかに楽しく、気持ちよく働けているか」ということだ。そのためには、「なるべく従業員を主役にして、モチベーションをあげることが不可欠」だと安野社長は強調する。
事業が「人ごと」にならない「主役意識」「当事者意識」をもたせるために、通販、ホテルどちらにも、日々の「改善、改良、改革」と、「気づき→提案→活かす→反省」のサイクルを取り入れている。従業員の誰もが気づいたことを活かせる、実践できる環境を目指しているのだ。
具体的には、月に1~2回、グループ提案、個人提案の場が設けられており、新入社員であっても「経験していないからこそ気づくこと」を提案して活かせるという。
加えて、待遇の改善にも力を注いでいる。給料は顕著な例で、2023年に7%、2024年に5%、合計12%も引き上げられた。
ベルーナの会社満足度とはすなわち、「いかに、しっかり稼ぐのか」ということだ。「それを実現するにはどうしたらいいかを考え、改善、改良、改革を続ける文化を社内にどのように作るのか」という意識が要となると安野社長。事業の根幹とも言える部分だが、そこにも「社員全員で」取り組んでいるという。
「弊社はなんでも“全員参加型経営”です。顧客満足度、従業員満足度、会社満足度の向上。いずれの方法もみんなで考えましょう、そのために改善、改良、改革をしましょうと折に触れて伝えています。自分で考えた改善案でうまくいくと成功体験になりますよね。それをいかに積み重ねてもらうかを追求するのが私の仕事なんです」
インタビュー中、安野社長はおそらく10回以上、この「改善、改良、改革」という言葉を口にした。3つの満足度の向上を求め、変わり続けることが、すべてのベルーナの経営の支柱となっているということなのかもしれない。
そして、これを追求する上では、同社ならではの強みが存在する。
通販のDNAが活きる集客戦略
その強みとは、長年の通販事業で培ったマーケティング力だ。通販事業から行っていた「お客様の声を聴く」という姿勢は、デジタル時代において、緻密なデータ分析とシステム構築という形に進化した。
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