そして、一番の問題は、水素を補充する水素ステーションの数だ。次世代自動車振興センターの調べによると、2024年9月11日現在、国内に設置されている水素ステーションは、全国で157カ所。水素ステーションは整備が始まったばかりで、その数はまだ限られており、FCEVを普及させるには、まだまだインフラの拡充が必要だ。
CR-V e:FCEVをはじめ、トヨタの「ミライ」「クラウン(セダン)」など、乗用タイプのFCEVはまだまだ小数派だ。だが、航続距離が長く、水素の充填時間は約3分とガソリン車の給油時間並み、しかも環境に優しいと、メリットはかなり多い。
とくにBEVでは、急速充電でも満充電に30分近く必要なことを考慮すると、水素充填が約3分と短いなど、FCEVには魅力的な面も多いといえる。しかも、今回試乗したCR-V e:FCEVの場合は、従来のクルマから違和感なく乗り換えできるし、快適性も高い。価格や水素ステーションの数などの課題がクリアすれば、より多くのユーザーが選択肢のひとつに入れるだろう。
水素自動車の今後
なお、水素を使った次世代車には、ほかにも、トヨタなどがレースなどで開発中の水素エンジン車もある。こちらは、従来の内燃機関を基本的に残したまま、ガソリンの代わりに水素を燃料とする車両なので、モーターで走るFCEVとは異なる。だが、エンジン車の感覚が好きなユーザーにはかなり注目なのではないだろうか。筆者もそのひとりで、水素の低価格化とインフラの拡大次第では、FCEVと同じく大きな期待を寄せている。
いずれにしろ、カーボンニュートラル実現に向けて、次世代車両の開発や普及は待ったなしの状態だ。そんな中、今後、CR-V e:FCEVが市場にどういった反応を受けるのかが興味深い。
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