ホンダ「CR-V e:FCEV」先進さより際立つ普通さ 水素を使った燃料電池車を感じさせない作り

✎ 1〜 ✎ 94 ✎ 95 ✎ 96 ✎ 97
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
展示されていたカットモデルの燃料電池ユニット全景
展示されていたカットモデルの燃料電池ユニット全景(写真:三木宏章)

主な特徴は、まず、一般的なSUVと同様の居住空間を確保すること。米GM(ゼネラル・モーターズ)と共同開発したパワートレインは、水素で発電する新開発のFC(燃料電池)スタック、モーターギアボックス、エアーコンプレッサーなどを一体化した新型を搭載。ホンダが以前生産していたセダンタイプのFCEV「クラリティ フューエルセル」と比べ、搭載部品の省スペース化などを実現する。

また、高圧水素貯蔵タンクシステムを荷室下に、EV走行を実現する大容量バッテリーを床下へ格納。これらにより、大人5名がゆったり乗れる室内を実現する。とくにセカンドシートは、かなり広い足元スペースを確保。背もたれのリクライニングも可能で、後席の乗員が長距離ドライブでも疲れにくい快適性を持つ。

車体後部に搭載された2基の水素タンク
車体後部に搭載された2基の水素タンク(写真:三木宏章)

なお、水素で走る通常の走行では、1回の充填で約621kmもの走行距離を実現(充填時間は約3分)。休日のレジャーなど、遠距離ドライブなどにも使える航続距離を実現している。加えて、市街地などでは、水素を使わずにバッテリーのみの電力で走るEV走行も可能。1回のバッテリー満充電で走行できる距離は約61kmだ。

外観やボディサイズについて

CR-V e:FCEVの外観
CR-V e:FCEVの外観(写真:三木宏章)

外観は、大開口フロントグリルなどで、力強さを演出した顔付きが印象的。ボディサイズは、全長4805mm×全幅1865mm×全高1690mm。近い車格のSUVモデルには、例えば、トヨタ自動車「ハリアー」などが挙げられるが、こちらのボディサイズは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm。CR-V e:FCEVのほうが、全体的にやや大きめになっている。

なお、CR-V e:FCEVは、ベースとなったハイブリッド2WD車と比較して、フロントオーバーハングを110mm延長。これは、新開発の一体化パワートレイン搭載によるものだ。なお、これにより、フード/フロントフェンダー/フロントバンパー/グリル/リアバンパーロアなどは専用設計になっている。また、最低地上高もベース車の198.2mmに対し170mmと約30mm低い設定。さらに車両重量は、肉厚の水素タンクやFCスタックなどがかなり重いため、ベース車比で約200kg重い2010kgとなっている。

次ページ広い運転席からの視界と、電動車らしいスムーズさ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事