BuzzFeed、「メディア兼広告代理店」の凄み 多士済々が集結する、その歴史のすべて

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しかし、経営陣は2011年に同誌を3億1500万ドル(約387億円)で「AOL」に売却。以降、ペレッティ氏とレーラー氏は、「BuzzFeed」に力を注ぐことになる。2人は「ハフィントン・ポスト」創業後すぐの2006年3月に「BuzzFeed」も創業していたのだ。「最初は実験室を手に入れた感じだった。運営にも資金はあまりかからなかった」と、ペレッティ氏。当時の「BuzzFeed」はLLC(有限責任会社)での運営にとどめていた。

ペレッティ氏によると初期の資金集めは簡単ではなかったため、そのころの「BuzzFeed」は停滞していたという。2008年に記事広告のネイティブアドを開発。TechCrunchによると、従業員数9人で月間訪問者数100万人を獲得すると、同年6月に念願の350万ドルの初回出資を受けた。この最初期の出資には、Yahoo! JAPANを傘下に収めるソフトバンクも名を連ねている。

2009年からリスト記事(リスティクル)、GIF画像、ネット上のネタなど若者向けのエンターテインメント性の高い記事を展開。生活者がコンテンツに触れる地点(タッチポイント)がFacebook、Twitterなどのソーシャルネットワークへ移るのに伴い、「BuzzFeed」は波に乗った。月間訪問者数は、2010年5月に700万を突破して以降、右肩上がりとなる。

同月の第2回投資ラウンドでは800万ドルを集め、経営資源が潤沢になった。ペレッティ氏は2013年9月に「利益を出している」と宣言。翌14年8月には4600万ドルの累計出資に加えて、ベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ」から5,000万ドルを増資した。その後、経営陣はペレッティ氏とレーラー氏を軸とし、元「ハフィントン・ポスト」の最高収益責任者(CRO)で、2人と旧知の仲のグレッグ・コールマン氏をプレジデントに据えている。

他方、外部からも積極登用している。政治メディア「ポリティコ」の元スター記者だったベン・スミス編集長、「ル・モンド」電子版の元CEOであるダオ・グエン発行人、著名ビデオアーティストのゼ・フランク動画部門長は、2011年末から翌12年にかけて加入した。2015年6月には、ペプシコの元CMO(最高マーケティング責任者)であるフランク・クーパーを同職として招いている。

2. 広告代理店とメディアの合体

多くのオンラインメディアが収益源の確保に苦しむなか、「BuzzFeed」はソーシャル拡散力を収益化に活かしている。その肝はネイティブアドだ。

「BuzzFeed」の調査研究シニアディレクター、タミ・ダレイ氏はネイティブアドの投資利益率(ROI)は極めて高いと自信をもつ。トヨタ自動車・カローラのネイティブアドは、本サイトに短文と動画というシンプルな組み合わせで掲載され、2週間で100万PVに達した。

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