「転職当たり前」の時代に育てたい部下の"We感覚" 「部下を辞めさせない」と頑張るより大事なこと

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ただし、若手社員の「We感覚」を育むのは長期戦になる。筆者の経験上、自然に「私たちは」という言葉が出てくるようになるまで、5~10年くらいかかる。

個人と会社は、1つのきっかけである日突然一体化するわけではなく、長い時間をかけて一体化が進み、徐々に「We感覚」が得られるようになっていくのだ。

一般的に、オンボーディングの期間は3カ月~1年程度だとされているが、ゴールを一体化に置くのであれば、5~10年という長期間でオンボーディングを設計する必要がある。

目的は「部下を辞めさせない」ではない

昨今は、「部下が辞めないよう、優しく接しなければ」と自分に言い聞かせているマネジャーも多い。しかし、そればかりに気を取られていたら、リーダーとして事業を発展させることはできない。

リーダーは、組織のために最善の道を選ばなければいけない。ときには、自らの感情や欲望を抑えて決断を下さなければならないし、部下に厳しい要求をしなければならないこともある。

部下のために良かれと思って言ったことが、素直に受け入れてもらえないときもあるだろう。反発や抵抗を覚えて、辞めていく部下も出てくるだろう。

そんなとき、リーダーは「自分の言い方が悪かったのだろうか……」「自分の言葉で、部下を不幸にしてしまったのかもしれない……」と悩むこともしばしばある。このような幾多の「業」を背負いながら、行動していくのがリーダーなのだ。

リーダーにとって大切なのは、部下を「辞めさせないこと」ではなく、「組織と個人のために行動すること」であり、言い換えれば「個人の幸福」と「組織の発展」の同時実現だ。

個人と組織のどちらかが犠牲になっている状態は、健全な状態とはいえない。

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