51歳男性が僅か3カ月で「奇跡の結婚」した驚く経緯 49歳の妻が見せた一世一代の決断力

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筆者は取材活動で多くの晩婚カップルに会ってなれそめを聞いているが、同世代のカップルの場合はほとんどと言っていいほど女性のほうが結婚に積極的である。「この人!」と見定めたらなりふり構わずに確保し、スピード感を持って物事を進めている。よほどモテる女性でない限りは、そのような判断力と実行力がなければ同世代の男性との結婚は難しい。出会いまでは各種サービスを活用できるが、相手と向き合って具体的に物事を進めるのは自分しかいないのだ。

健一さんと恵美さんも例外ではない。マッチングをした月に最初のデートをして、「お付き合いしてください」と言ったのは健一さんのほうだ。しかし、2度目のデートで結婚について話題にして、お互いの両親に会う段取りまで進めたのは恵美さんである。

健一さん、婚活わずか3カ月で結婚

翌々月には実際に両親に挨拶をし、その翌月には「恵美さんの誕生日に合わせて」という名目で婚姻届を提出した。健一さんのほうは結婚相談所に入会してからわずか3カ月後のことだ。

「もう少し交際期間があって、半年後のクリスマスぐらいに結婚かなと思っていたのですが……」

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苦笑する健一さんだが、実家から恵美さんの持ち家に引っ越して、やはり風呂掃除などを担って問題なく暮らしている。

「料理も教えてもらっているところです。母親だと『それは違う!』と否定されちゃいますが、妻はわかりやすく言ってくれるので助かります」

名字は恵美さんの姓にした。恵美さんは墓を守る関係もあって姓にこだわりがあり、健一さんのほうは父方の姓に愛着はない。

「僕のほうは日本で10番目ぐらいに多い名字なので、同姓同名ばかりになってしまう妻が可哀そうだなと思いました」

恵美さんのほうは願ったりかなったりである。心優しい健一さんは恵美さんの両親にも優しくしてくれて、自宅では重いものを持ってくれる。仕事柄、家電や通信関係はお手の物だ。共通の趣味となった登山もルートをしっかり調べて準備してくれる。住宅ローンは恵美さんが払っている代わりに、その他の生活費はすべて健一さんが負担。両親との関係も生活も良くなり、仕事運まで向上していると恵美さんはホクホク顔だ。

「仕事で困ったことがあると夫に聞いてもらっています。それだけで気持ちが軽くなるんです。男の人が結婚する理由がわかった気がします」

マッチングの対象年齢を45歳以上に切り替えた途端に恵美さんに“身柄を確保”された健一さん。その対象を30代後半にしてもお見合いはできたと思うし、その中から結婚相手を見つけられたかもしれない。ただし、相手の女性からすれば一回りも年上の男性に甘えられるのは当然である。何をしても恵美さんほどには感謝してもらえなかったはずだ。

母親との愛憎を抱えた長女の恵美さんにはしがらみもこだわりもあるが、同時に責任感と経済力もある。それらを末っ子気質の健一さんと分かち合い、譲り合いながら2人の家庭生活を築いている。恵美さんの感謝の心が強い基盤になっていると思った。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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