三菱地所、「日本一の超高層ビル」計画の薄氷 甦る「ランドマークタワー」の苦い記憶

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常盤橋の再開発に関して、三菱地所は投資額の正確な数字はまだ持ち合わせていないとしつつも、「土地を含めると、計算上は1兆円を超えるようなプロジェクト」(合場専務)という。このうち、土地資産が6000億円を占めるとみられるが、それを除いても建設費は巨額だ。

開発期間は2020年の東京五輪をまたぎ、リニア中央新幹線の開業時期と重なる。その間、周辺エリアでは、再開発が目白押しだ。

中でも、東京駅東側の正面玄関に当たる八重洲中央口の向かいでは、三井不動産が29万平方メートルのビルを2021年度、東京建物が24万平方メートルのビルを2024年に竣工する計画がある。これらのビルにテナントを先に取り込まれてしまう懸念は大きい。

丸の内並みの賃料を想定

三菱地所は、人や企業の集積で街の価値は向上すると見て、再開発後の常盤橋での賃料について、国内最高の丸の内と同水準か、それ以上を想定している。ただ、賃料水準を維持しながら、都心3区の1年分の供給量に相当する広大なフロアを埋めるのは、容易なことでない。

加えて五輪後は、国内景気が後退するとみられている。そこに68万平方メートルもの新規供給がなされれば、周辺エリアの賃料にも、少なからぬ影響を与えるはずだ。

「シンボル」という甘美な響きには、冷静な思考を止める力がある。横浜の教訓を生かすことはできるか。

「週刊東洋経済」2015年9月19日号<14日発売>「核心リポート01」を転載)

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