生後12日で長期入院も「RSウイルス」の本当の怖さ 免疫力ない乳幼児はワクチン・予防薬で対応を
ウイルスには何度も感染するが、大人や小学生以上の子どもの場合は少しずつ免疫をつけていくため、かかっても多くが軽症ですみ、ほとんどは自然に治ってしまう。
症状があって病院で診てもらったとしても、ウイルスを特定する抗原検査は基礎疾患のない1歳以上では健康保険が使えず自費になるため、また特定する意義が少ないため、“単なる風邪”として扱われて終わりだ。
一方で、乳幼児や、持病のあるハイリスク児(下の表を参照)にとってRSウイルス感染症は、重症化しやすい怖い病気だ。重症化すると肺炎を起こしたり、急性脳症といった重い合併症をもたらしたりする。ぜんそくなどの後遺症が残ることもある。
年間2万人の乳幼児が入院している
「乳幼児の2〜3%はRSウイルス感染症が原因で入院しているという報告もあります。2〜3%というと少なく思えるかもしれませんが、1年間に日本で生まれる赤ちゃん約80万人のうちの1万6000人から2万4000人が入院するという計算です」(峯さん)
RSウイルスは飛沫感染や接触感染でうつるが、ほかのウイルスに比べて感染力や増殖力が強く、通常は3〜8日ほど感染力が持続する。さらに免疫力の低い子どもや高齢者の場合は、症状が消えてからも1〜3週間も感染力が持続することもあるという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら