トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

マーク・エスパー元国防長官とジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)が回顧録に記したように、トランプは韓国からアメリカ軍を撤退させ、北朝鮮の金正恩総書記との未完の交渉を完了させ、北朝鮮の核戦力をそのままにし、アメリカの防衛の役割を担うことを理由に、日本に多額の支払いを要求するつもりだった。

また、中国だけでなくヨーロッパやアジアの同盟国も対象として、外国製品に全面的に大規模な関税を課すというトランプの度重なる意向もすっ飛ばしている。

ロシアのウクライナ侵攻でシナリオは変わった

さらに重要なことは、アジアにおける外交政策が、他の地域、特にヨーロッパや中東で起こっていることと区別され、切り離されたものでありうるという考えは幻想であるということだ。

日本自身の国家安全保障戦略が明らかにしたように、ロシアのウクライナ侵攻は東アジアの安全保障状況を根本的に変えてしまった。ロシア、中国、北朝鮮の緊密な軍事同盟を生み出し、朝鮮半島、台湾、そして東アジア全体の安定を脅かしている。

トランプは、ウクライナへの軍事援助を打ち切り、ロシアの指導者ウラジーミル・プーチン大統領が提示した降伏条件を受け入れるようウクライナに働きかけるつもりであることを、副大統領となるJ・D・バンスと同様に繰り返し明らかにした。

トランプはまた、NATO(北大西洋条約機構)への安全保障のコミットメントを放棄すると脅し、プーチンがバルト三国を手始めにソビエト帝国の一部を再び支配し、ポーランドを脅かす道を開く。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事