トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たとえそうだとしても、日本、韓国にとっても順風満帆というわけではない。防衛費を大幅に増やし、中国との輸出規制や貿易・投資の抑制に参加するよう、両同盟国への要求が強まるかもしれない。

「トランプ政権は多くのこと捻じ曲げるだろうから、それに備えたほうがいい」と、著名なアドバイザリー組織であるジャパン・フォーサイトの創設者、トビアス・ハリスは語る。トランプのアドバイザーはすでに、国民総生産の2%という目標を超えて防衛費を大幅に増やし、自国の防衛に責任を持つよう日本に迫っている。

日本の製造業者が抱える「リスク」

トランプの関税政策はさらに大きな問題を引き起こすかもしれないとハリスは主張する。

「トランプが、アメリカからの輸入品に規定外の関税を課すという脅しを部分的にでも実行に移し、さらに中国とメキシコからアメリカへの関税を大幅に引き上げることになれば、日本の大手製造業は、製造拠点をアメリカに移すか、日本に戻すか、あるいは他の市場に移すかを検討しなければならなくなる」

さらに、「日本企業はまた、中国との技術輸出規制に関するワシントンからの圧力強化に取り組まなければならないかもしれない。しかし、トランプ大統領が日本製鉄によるUSスチール買収に声高に反対していることが示唆しているように、トランプ政権の政策に対応してアメリカへの投資シフトを選択する場合には、政治的・国家安全保障的な考慮も経なければならないだろう」

しかし、トランプが中国との対決のために日本と韓国を巻き込むと考えるのは時期尚早かもしれない。一部のアナリストによれば、トランプはその代わりに習近平国家主席との壮大な駆け引きを選ぶ可能性があり、その中には台湾を放棄することさえ含まれる可能性があるという。

トランプは実際、選挙期間中、台湾についていくつかの発言をしており、台湾企業がアメリカの半導体産業を破壊したと不満を述べ、アメリカが台湾を擁護する必要があるのかどうか疑問視している。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事