「家父長制」は不変なのか?長い歴史から紐解く 世界各地を訪ね歩く科学ジャーナリストの視点

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だとすれば、男女の不平等が生じたのは農業や財産所有が発生したせいだと断定するのは難しくなる。これらの要因によって、先史時代に人々のパワーバランスにおいて変化があったとしても、考古学の記録にはっきりした痕跡が残っていない以上、それはかすかな変化だったに違いない。

「どの分類に属するか」が重視されるように

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ジェンダー関係に初めて変化が認められ、男性が権威を掌握する最初の萌芽が見られるのは、初めて国家が出現したときだった。ジェンダーが顕著になったのは、それが社会を支える原則になったときだった。

すべての人々が日常的な現実をあえて無視するような方法で分類され、本来選ばないような生き方を強いられたときだった。

「社会がその人についてどう考えるか」よりも、「その人がどの分類に属するか」が重視されるようになった時、男女の不平等が生まれたのである。

アンジェラ・サイニー 科学ジャーナリスト

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アンジェラ・サイニー

科学ジャーナリスト。オックスフォード大学で工学、キングス・カレッジ・ロンドンで科学と安全保障の修士号をそれぞれ取得。オックスフォード大学・キーブルカレッジ名誉フェロー。BBCやガーディアンなど英米の主要メディアに多数出演、寄稿。著書に『科学の女性差別とたたかう』『科学の人種差別とたたかう』など。

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