「幸せになってほしい」は"有害な言葉"である理由 人生が「なぜか満たされない」ものになる本当の訳

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逆説的ですが、「ウェルネス」がこれほど注目されるのは、ウェルネスの探求が常に不毛な結果に終わるからです。人間は常に幸せでいられるようにはできていないのです。けれども、この勇敢な探求の途上では、「あなたは常に幸せでいるべきです。そうなれないのは、何か根本的な問題があるからです。それを解決しなければなりません」と言われ続けます。

私たちは幸せになることを望み、束の間、純粋な幸せを感じることもありますが、そのような瞬間は稀にしか訪れません。だからこそ、幸せな瞬間の一つひとつを大切にすることが重要なのです。

一日を明るくするちょっとした秘訣

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人生を十分に生きるには、さまざまな感情を経験する必要があります。そして、一日の中に小さな幸せをちりばめることで、幸福感を高めることができます。快楽の踏み車に引き戻されることなく気持ちを明るくする方法をご紹介しましょう。

褒め言葉の瓶を作る

空き瓶を用意しておいて、誰かに褒められたら、紙に書き留めて、その瓶の中に入れましょう。自分の好きなところを自分で書いてもいいですし(難しいけれど、慣れたら簡単にできるようになります)、自分の長所を愛する人に尋ねて、それを書いてもいいでしょう。小さな偉業についてもそうしましょう。大きな偉業でなくてもいいのです。手芸品を仕上げることができたとか、不作法なメールに怒らずに返事を書くことができた、といったことでも十分です。そして落ち込んだときには、目を閉じて、瓶から紙を一枚取り出して読めば、自信が湧き、明るい気分になれるでしょう。

微笑む

そう、微笑むだけです。微笑みたい気分にならなくても、眉間を開いて微笑むだけで、ポジティブな気分になれるのです。カンザス大学の研究者たちは、作り笑いでさえ気分を良くすることを発見しました。とは言っても、純粋な微笑みの方が、よりパワフルに気分を上げます。純粋な微笑みを引き出す最善の方法は、他の誰かを微笑ませることです。フランスの神経学者ギヨーム=バンジャマン・アマン・デュシェンヌは、純粋な微笑み(デュシェンヌ・スマイルと呼ばれる)は、目と口の周りの筋肉を使うが、儀礼的な微笑みは口の形を変えるだけだ、と指摘しています。誰かをデュシェンヌ・スマイルにして、自分とその人の一日に幸せの灯りをともしましょう。

姿勢を良くする

少し時間をとって、幸せなときの人の体がどう見えるか、どのように立っているか、どのような姿勢をとっているかを思い出してみましょう。おそらく、胸を開き、背筋を伸ばし、頭を上げ、全身で世界を歓迎しているのではないでしょうか。では、いくぶん不快な感情を抱えている人の姿勢はどうでしょう。背を丸め、人を拒絶し、近づきがたい雰囲気を漂わせているのではないでしょうか。気の持ちようで体は変わる、とよく言われますが、逆もまた然(しか)りで、姿勢やボディ・ランゲージの変化は、感情に直接影響します。今度、気持ちを上向きにしたいと思ったら、幸福な人の姿勢を真似てみましょう。

メグ・アロール 臨床心理士・心理学者

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University of East London講師・特別研究員、BPP University上級講師、Healthspan臨床心理士。国際コーチング心理学会会員。

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