30代までの「知的インプット」足りない人が陥る穴 効率化できず時間を投入するしかない悪循環に

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その他にも、毎日着る服や食べる物を考える時間を削減するべく基本は同じもの(週5日でランチは立ち食い蕎麦、とか)、エレベーターに乗ればちょっとでも時間を確保するべく目的の階数を押す前に閉じるボタンを押す(もちろんだが後ろからヒトがやってこない事を確認してからだ)、早食い早歩きやダッシュは当然、といった具合だ。

とにかく仕事と仕事につながる知的インプットの時間を1秒でも確保するべく他の時間を極限まで削って、という生活をしていたものだ。

まぁそんな事をしていたからか、今でも平日は同じものをあえて複数持っている。上下黒のユニクロしか着ない、という個性も何もない感じになっているのだが……。

もちろんどこまでやるか、は自分次第で考えればいいのだが、この年齢のビジネスパーソンはやはり知的インプットの時間をいかに増やすか、という事に焦点を当てるべきだし、繰り返しだがその頑張りや工夫はその後の人生を大きく変えると言っても過言ではない。

さて、それ以降の40代50代を含むビジネスパーソンであるが、以降は先ほど述べた通り、仕事においてはインプットよりもアウトプットの質と量を高める、という方向性にもっていくべきであり、その時間の優先順位を引き上げるべきだ。

もちろん知的インプットの時間確保は引き続き重要だ。

しかしそこに時間を大量投入するという事はせず、今まで培ってきた経験やスキルをベースとして、ルーチン的にインプットする、という程度でよいと思う。

時間をかけて包括的に、というよりはピンポイントで的を絞って、という感じだ。

いつか仕事を離れたり、一線を退く時のために

それよりも、年齢とともに健康ケアをより重要視しないといけないし、現実的に体力も衰えてくるから、より長く質のよい睡眠時間の確保とか適度な運動なんかが大切になってくる。

加えてその後の長い人生を、仕事だけではなく人生全体のクオリティーを上げるために趣味の時間を持ったり、さまざまな教養を身に付けるための時間確保が大切になってくる。

だれしもいつかは仕事を離れたり、一線を退く時が来る。

そういった時に備え、それこそ24時間を持て余さないように、早めに趣味や仕事以外で熱中できる何かを見つけておく。

30代前半までは「その後のキャリアに備えての先行投資」として知的インプットを行ってきたが、以降は「その後の人生に備えての先行投資」として、仕事以外へ自分の幅を広げる事にも注力するべきなのだ。

もちろんそういった事を通じて、人間としての深みや幅が広がったり、人間観察力がより鋭くなったり、より大局的な視点で世の中を見られるようになったりと、仕事にとってもプラスの影響が出る事も間違いないだろう。

キャリアと人生、双方ともに長距離走であり、ゴールの見えないものだ。

だからこそ、長期的な視点でもって、今何をするべきか、何を優先するべきかを考え、メリハリのある時間の使い方が大切なのだ。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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