テレ東「路線バスの旅」はどこまでガチなのか 「土スペ」看板企画のプロデューサーを直撃
――太川さんが「病院に行けば、そこを起点にいろいろなバスが出ている」と言っていますよね。病院が交通の結節点という地方の現実が見えるのはすごいです。
そうですね。僕らはそこまで振りかざしませんが(笑)。東京にいると10分おきにバスがきますが、地方では1日に1本とか恐ろしいことが起きている。それは実感しています。
――どうして県境でバスがつながらないのでしょう?
やっぱりバス会社が違いますから。県境の近くまでは行きますけど、県を越えるのは守備範囲外なんでしょうね。県が変わると経済圏や文化圏が変わるというか、別のものになりますよね。
太川さんたちはバスで県境を越えると万歳するでしょ。バスに乗って県境を越えるのは、そうたくさんあるわけじゃないので。「歩かなくてよかった、うれしい」という、一種のガッツポーズです。
2代目マドンナが番組の歴史を変えた
――最初のころは、つながらない区間はタクシーに乗っていましたよね。
第1弾は、今見ると明らかに雰囲気が違いますね。途中で下車して観光したりとか、どちらかというと旅番組に近い。第2弾もタクシーに乗ったんですよ。でもゴールに着けなかった。ただ、それで数字(視聴率)が取れたんです。
第2弾のマドンナは相本久美子さんで、まだ今のようにガチな番組ではなかった。それでバスがつながらない区間を、スタッフが気を利かせて「ロケバスで移動しますか」という話をしたら、相本さんが「歩きます」と言った。「ここまでがんばってきたのに、誰かに見られてあとでインチキしているって言われるのはいやだ」って。太川さんもそれを聞いて、みんなで歩くことになった。そういう意味では、番組の舵を切ったのは相本さんの一言です。
――9月12日放送の第21弾はどのルートですか。
大阪の堺から紀伊半島をぐるっと回って、三重県の国崎に向かいます。紀伊半島も路線バスがつながりにくいので、今まで手を付けていなかったのですが、ここまできたらチャレンジかなと思って。来年はサミット開催ということもありますし。
マドンナは高橋ひとみさん。バスがなかなかつながらなくて、ギリギリの展開になってます。これ以上は言えません!(笑)
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