テレ東「路線バスの旅」はどこまでガチなのか 「土スペ」看板企画のプロデューサーを直撃

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――想定ルートどおりに行けば、ギリギリで成功するのですか。

場所によりますが、1本でもミスったらアウトというルートは作りません。それでは難易度が高すぎる。

僕らが想定したとおりに進んでもらって、毎回ギリギリでドラマチックにゴールするというのが美しいんですが、実際はそうではない。4日目の朝にゴールに着いちゃったり、逆にあと100キロ残してリタイアしたり。それをありのままに出そうというのが番組のスタンスです。

――撮影スタッフの人はルートを知っているんですか。

想定ルートが頭に入っているのは、現場でずっと同行しているプロデューサーとディレクターくらいです。残りの技術スタッフや出演者のマネージャーさんたちは、そのルートが正しいかどうかもわからずに、いっしょについていく。

――では、現場のプロデューサーは、ルートがずれていくと、心の中で「そっちに行ったらダメだ」と思ったりするのですね。

(笑)。でも、逆もあるので。まれにですが、僕らが見つけられなかったショートカットを出演者が見つけるファインプレーもあります。

路線バスに見る地方の現実

――第20弾の北海道編では、襟裳岬から釧路に向かうのに網走まで北上しました。ずいぶん迂回してゴールしましたが、これは想定どおりなのですか。

大まかにいうと、想定ルートどおり。襟裳岬から釧路へは直線でつながらず、かなり上まで行って迂回しないといけないことはわかっていました。

――第11弾では、高松から淡路島を抜けるのに高速バスに乗りました。

本来ならアウトです。でも、明石海峡大橋を渡るには高速バスしかないので、特別ルールでOKにしようと決めていました。太川さんも「えっ?どうするの」みたいな感じになりましたが、これはあらかじめ想定していたことです。

――第1弾の2007年と比較して、バスの運行ダイヤはかなり減っていると思いますか。

地元の人に「ここへ行くバスがあるよ」と教えてもらって、そこへ行ってみると、だいぶ前に廃止になっていたということがよくあります。たぶん、バス路線は年々減っているのだと思います。ただ、バスが廃止になると困る人たちもいるので、自治体が小さなコミュニティバスを走らせて路線を維持しているというのはよく見ますね。

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