身長で決まる?「中国の子供料金」謎すぎるルール 交通機関やレジャー施設での不思議な決まり

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年齢で料金を区切る国から来た私は、中国の身長ルールを最初に知ったとき、驚きのあまり周囲の中国人に「おかしいでしょ」と抗議した。同じ年齢でも発育の差は大きく、不公平じゃないか。すると「年齢なんていくらでもごまかせるんだから、そっちのほうが不公平だろう」と言い返された。

中国人の驚きの言い分

体が大きいほうがスペースを取るしたくさん食べるから、座席にしても、レストランの食べ放題にしても身長で線引きするほうが合理的だと中国人は言うが、動物園の入場料の子ども料金を身長で決めるのはやっぱりおかしい。

とはいえ、私たち親子に限って言えば、身長制は助かるシステムでもあった。ソウは私に似て背が小さかったので、中国にいる間ずっと、ほとんどのことが無料だった。私たちは休みのたびに国内旅行に出かけていたので、ソウの交通費や観光施設の入場料がただになるのはとってもありがたかった。

そんな中国ならではの習慣も、2023年に見直されることになった。鉄道当局が子ども料金を従来の身長から年齢を基準にするよう改めたのだ。

それまで120センチ以下の子どもは無料、120センチを超えて150センチ以下は子ども料金(大人の半額)、150センチを超えると大人料金と定められていたが、2023年1月以降、6歳未満は無料、6歳以上14歳未満は子ども料金。14歳以上は大人料金に切り替わった。

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中国の鉄道当局によると、子どもの体格がよくなり、従来の基準だと大人料金を払わないといけない小学生が増えたことと、鉄道の乗車券購入が完全実名制になり、乗客の年齢が把握しやすくなったことから、見直しに至ったという。

納得しがたかったルールがやっと変更され、「やっぱり日本のやり方のほうがグローバルスタンダードだよね」と1人どや顔をしているわけだが、10歳になってもチケットを買うことなく、心持ち身をかがめながら鉄道や観光地の入場ゲートを通り過ぎていたソウの姿を思い出すと、日本以上に高身長の男性がもてる中国で、小さいことのメリットが1つなくなってしまったんだなと、ちょっと寂しくも感じる。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
Facebook: https://www.facebook.com/sanae.uragami
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/
 

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